平成26年8月26日2学期始業式でのあいさつ

140826 2学期始業式でのあいさつ

 

おはようございます。3年はもうすでに授業が始まっていますが、12年は今日が始まりです。3年生はいよいよ進路獲得に向けてスタートです。1年生・2年生は来年度のコース選択・科目選択に向けて自分の将来を具体化する時期が来ました。皆さんにとって、どんな夏休みだったでしょうか。

私は、毎年夏休みの初めには宿題を早めに終わらせようと思っていました。でもだらだらと過ごしてしまい、夏休みの終わりは、宿題に追われて、いつも大変忙しい思いをした記憶があります。

宿題や勉強をもっと計画的にやっておけばよかったと後悔する一方で、「どうせ今からやっても間に合わないし、もういいか」という気分にもなりました。そんな人はいないでしょうか。

英語に "Better late than never."ということわざがあります。「遅くても何もしないよりはましだ」「遅れても行かないよりはましだ」という意味です。なんとか気分を奮い立たせるために、私はぶつぶつ言っていました。宿題を完璧に仕上げて提出する、遅刻せずに登校する、そうできれば気分はいいのですが、宿題ができていなくても、遅刻とわかっていても学校へは行かなければなりません。もういいかとやめても問題は解決しないのです。せめてできるだけのことはやってみよう、という、悪あがきを勧めることわざです。

 ところが、この悪あがきは、今から思うと、決して無駄ではなかったように思います。社会に出ると、いろんな事を同時に進めていくということが普通に求められます。すべてを完璧にすることは不可能です。悪あがきであってもなんとか取り組んでいくことで、いい意味でどうすれば効率よくこなせるか、自分はどれぐらいまで耐えられるか、だんだんわかってきます。そして気づかないうちに、少しずつレベルが上がっているのです。

 有川 浩という作家の「フリーター、家を買う」(幻冬舎文庫)という小説があります。TVドラマになったので見た人もいると思います。就職先を3ヵ月で辞めてから、バイトも続かなかった主人公が、家族に問題が生じて何とか解決しようと、職探しと並行して取り組むなかで、いままで続かなかったバイトを続けることができ、そのおかげで家族の課題解決のためにお金を貯めるという目標と、そして就職という課題までもクリアします。

 今日の始業式を、計画通りに勉強ができないで、あるいは宿題を残したまま迎えた人、これはある意味、チャンスです。限りある時間で乗り越えなければならない課題ができたわけです。何とかやり抜こうと悪あがきをした、レベルアップして、最終的にクリアする力をつけてください。もちろん、計画通り勉強ができた、宿題をやり終えた人は、さらに高い課題に取り組んで下さい。

 特に3年生の諸君、今からでも間に合います。 "Better late than never." これで終わります。