工科高校生がAIを学ぶ意義

電気系3年生の課題研究「Pythonとscikit-learnを使った機械学習」では、7月8日の授業から画像認識と画像処理を始めます。
たとえば下図のようなノイズ除去やエッジ検出などを行う処理を、Pythonを使って(可能な範囲で)スクラッチ開発します。
Pythonには多くのライブラリーが用意されており、それらを使えば簡単に実現できてしまうことが多いので、ソフトウエア開発の業界ではこのような行為を「車輪の再発明」と揶揄し、無駄な時間としています。
しかし、目的や状況に合わせた車輪をオーダーメイドでつくる場合、どうしても車輪についての理解が必要となります。
将来、自分が関わる仕事で「この作業にAIを導入すればいいかも...」といった発想をもったとき、開発のための十分な資金を投資することが会社として困難な場合や、個別性が高くてどのエンジニアも着手してこなかった業務に取り組む場合などでは、「ものづくり」と「機械学習」の両方を経験していることは大きな強みとなります。
ところで機械学習ではデータの前処理が非常に重要な作業となります。scikit-learnなどのライブラリを使いこなすために必要なスキルの一つとして、データの本質や癖を見抜けることがあります。画像認識や画像処理への取り組みはそうしたスキルを磨くための有効な訓練だと考えております。

<ノイズで乱れた画像>

<ノイズを除去した画像>

<エッジを検出>