阿武高祭によせて

 台風21号の甚大な被害に関して、被災された皆様に心からお見舞い申し上げます。その直後には、北海道で震度7の激震。こちらもまだ被害の全容が判らず、心配です。私の友人も何人も北海道に在住しており、何とか連絡はつきましたが、何が出来るか考えているところです。しかし、今年は近年にない自然災害が多いですね。本校も4日は臨時休校とし、翌5日は朝から臨時のHRを使って、生徒の安否確認と安全確認を済ませたのち、生徒たちと教員で飛来したり四散したゴミを片付けました。

 さて、そんな臨時休校を挟みながらも、本日、阿武高祭初日を迎えることができました。オープニングではダンス部・吹奏楽部・軽音楽部のパフォーマンスだけでなく、鉄道研究部の発表、福祉コースの生徒たちによる手話コーラス、高槻支援学校の生徒さんと福祉コースの生徒たちのコラボレーションによる手話コーラスなど、盛りだくさんの内容となりました。教員も有志で舞台を務めました。生徒と教員の距離が良い意味で近いのが本校の良さだと改めて感じた次第です。

 開会式では校長挨拶というのがあります。私からは以下のような話をしました。生徒の皆さんは熱心に聞いてくれたように思います。

「いよいよ阿武高祭の当日を迎えました。早い時期から準備・練習を始めて今日を迎えた皆さん、途中、台風21号による臨時休校もありましたが、それを乗り越えてしっかりと準備をしてくれたものと思います。今日明日の二日間を楽しみ、最後の仕上げをやりとげてください。さて、阿武高祭は文化祭ですが、文化という言葉は英語で「culture」と言います。この言葉は、もとは「耕す(たがやす)」という意味のラテン語「colere(コレレ)」に由来します。初めは、土地を耕すという意味で用いられていましたが、その後、「心を耕す」という意味で用いられるようになりました。つまり、文化とは「心を耕す」ことなんですね。耕すというのは、作物を育てるために土地を掘り起こすこと。そして、土地を耕せば、その土地は豊かになります。ということは、心を耕すということはいろんな経験を通じて、心が豊かになること。いろんな経験を通して、温かい気持ちになったり、元気になったり、勇気を貰ったり、ホッと出来たり、違う考え方に触れたり、今までの自分を反省したり...。文化を経験することでそんな風に心が豊かになると良いですね。皆さんは阿武高祭の準備や練習をすることで、心を耕すことが出来ましたか。そういえば、先生は一昨日、皆さんの行動で心が豊かになりました。台風21号が通り過ぎた5日の朝、校内はいろんなところから飛んできたゴミなどで大変でした。それをスポーツ専門コースの生徒たちが中心となり、しっかりと掃除してくれました。みんなのために汗をかいて、きれいな学校に戻してくれました。ありがとう。阿武高祭直前にこんな心が豊かになることがあって良かったです。さて、皆さん、今日明日の取組みで、自分たちの発表だけでなく、他のクラスや部の発表・取組みにも触れて、心を耕してください。今日明日の二日間が、皆さんにとって、心が豊かになる二日間であることを祈って、私からの挨拶とします。皆さん、楽しみましょう!」