本日は卒業証書授与式でした!

 昨日の雨が嘘のように、本日は晴天に恵まれ、阿武野高校では無事、第36回卒業証書授与式を挙行出来ました。新型コロナウイルス感染拡大防止のため、来賓の皆さんにはお越しいただけませんでしたが、保護者の皆さん(生徒一人につき、お一人と限定はさせていただきましたが)には参列いただき、とても良い式になったのではないかと思います。式辞で、私からは以下のような話をしました。

『まだまだ朝は冬の寒さを感じますが、暦の上では、立春・雨水が過ぎ、春の訪れを感じる季節となっ てまいりました。36期生の皆さん、ご卒業おめでとうございます。また、これまで成長を見守ってこられた保護者の皆さま、本当におめでとうございます。本来であれば、多数の来賓の皆さんにお越しいただき、ともに卒業を祝って頂く予定でしたが、新型コロナウイルス感染防止のため、本日はご参加いただいておりません。多くの来賓予定の皆さんからは、卒業を祝うお言葉をいただいています。

 さて、卒業生の皆さん、私が阿武野高校の校長として着任した年に皆さんは入学されたので、まさしく同期です。皆さんからはたくさんの元気をもらいました。ありがとう。夏の野球部の頑張り、サッカー部・陸上競技部・男子バスケットボール部の試合も見せてもらいました。今年度は新型コロナウイルス対応で中止になりましたが、地域の祭りなどで素晴らしい演奏を聞かせてくれた吹奏楽部・軽音楽部、いろんな場面でキレッキレのダンスを披露してくれたダンス部、アクティブな活動をしてくれた鉄道研究部。美術部や書道部の高校展も行かせてもらいました。他の部活動もみんなよく頑張りました。

 アブリンピックでは制約の多い中で実施された各団の応援パフォーマンス、素晴らしかったです。1・2年生への団長からのメッセージ、感動しました。阿武高祭では、3年生全クラスが素晴らしい舞台を見せてくれました。そして、あぶリスからのメッセージ、素晴らしかった。ありがとう。高校生活で、今を精一杯生きて、誰かを支え、誰かに支えられたのではないでしょうか。

 皆さんが卒業の歌に選ばれたグリーンの「遥か」という曲にこんな歌詞があります。「誰かに嘘をつくような人になってくれるな」皆さんはまだ若い。阿武野高校在籍中もいろんな失敗をしたり、間違いをしたかもしれません。私だって、今でも失敗をしたり、間違うことがあります。そんな時に、嘘をついてごまかしたり、誰かのせいにしたりしては、その時は良くても、結局は自分のためにはなりません。しっかりと自分の失敗や間違いを受け止めることが、みなさんを成長させることにつながります。卒業していく皆さんには、ぜひ、そんな人になってほしいと思います。

 同じ「遥か」という曲には、こんな歌詞も出てきます。「傷ついたって 笑い飛ばして 傷つけるより全然いいね」人は誰しも傷つきたくはない。それは当然です。私自身も小学校の時に、ひどいいじめに遭いました。だからこそ、誰かを傷つけることはしたくないと思うようになりました。阿武野高校では、自立支援コースを始め、いろんな仲間がいました。因みに、今、私の後ろにあります屏風は、自立支援コース「ぴあ」が今年20周年を記念して、ぴあの仲間たちが作ってくれたものです。そんないろんな仲間、自分と考えが違ったり、生活背景が違う友もいっぱいいましたね。そんな友を知らぬ間に傷つけたこともあったかもしれません。そんな時は、素直に謝り、相手の痛みを感じることが出来ましたか。皆さんは阿武野高校の三年間でそんな経験もしたと思います。

 そして、皆さんの入学式や折々の式でもお願いしていたこと。私自身の東日本大震災支援での経験をもとに伝えてきたこと、即ち、皆さんには「今出来ることにしっかりと取り組んで欲しいこと」「自分のためだけではなく誰かのために頑張って欲しいこと」、これも卒業に当たって、改めて皆さんにお願いします。

 卒業生の皆さん、どうか、嘘をつかず自分を誤魔化さず、出来るだけ誰かを傷つけることなく、これからも成長していってください。そして、どうか、今という時間を大切にしてください。誰かの役に立ったり、誰かを支えることで、あなた自身も元気になって、今まで以上に成長してください。まだまだ、新型コロナウイルス対応は続きます。新しい進路でも様々な制約があるかもしれません。それでも、今出来ることに一生懸命に取り組み、しっかりと前を向いて生きて行ってほしいと思います。10年後、20年後、皆さんが幸せになっていることを願って、卒業生の皆さんへのはなむけの言葉とします。

令和3年2月27日 大阪府立阿武野高等学校 校長 山下 克弘』