卒業式祝辞

                          祝   辞

 卒業生のみなさん、ご卒業おめでとうございます。

 君たちは4年間あるいは3年間の本校での生活を通じて大きく成長し、晴れの卒業式を迎えられました。君たちの多くが昼間働きながら所定の学業を成し遂げたということに、改めまして敬意を表します。これは誰にでもできるということでは、決してありません。これに耐えた18名のみなさんは、どうか自信をもって、堂々と胸を張って茨木工科高等学校・定時制の課程を巣立って行ってください。

 さて、皆さんがこれから活躍の場を一層広げる世の中は、絶えず変化しています。現代はグローバル化の時代だ、地球規模でものを考える時代になったのだとされていましたが、この1年間でイギリスやアメリカで起きたことを見ると、正反対の自国中心主義への動きが目立って来ました。価値観が180度転回してしまったのです。日本もこれから影響を受けていくでしょう。また、日本を代表する巨大な企業が、まさに経営危機に直面している時でもあります。

 このような、何が起きるかわからない不確定な世界で生きるのは大変なことです。どのように生き抜いていけばよいのでしょうか。面倒なことを考えずに、家族や友人、職場の人たちとその日一日一日を楽しく、面白おかしく生きて行くことも、幸せの一つの形ではあるでしょう。しかし何かに依存していると、それがなくなった時に自分を見失うことにもなります。

 私は、自分をしっかりと確立して、力強く生き抜くことが大切だと思います。具体的には、自分だけの夢・希望を持って生きることだと思います。夢は自分が生きている限り、失われないものです。また、その実現に向かって努力することで日々、生き生きと生活することができるでしょう。世界がどう変化しようと、自分が自分であり続けられるための核が、夢を持つことだと考えます。その前には少々の苦難などにくじけることはないでしょう。是非、自分だけの夢・希望・目標を持ってください。これは充実した人生への第一歩だと思います。

 

 結びに、これまで生徒たちを温かく見守っていただきました保護者様並びに関係者の皆様に、心からお礼を申し上げますとともに、これからも引き続き卒業生に社会人としてのご指導ご助言をよろしくお願い申し上げます。ここに重ねてお祝いを申し上げ、はなむけの言葉と致します。

                                                    平成29年3月1日

          大阪府立茨木工科高等学校 定時制の課程

                                 准校長 小河原康雄