本日午後2時から会議室にて、今年度10回目の今宮教養講座が行われました。今回は、本校で「私達が立っている場所」等を担当されている小山先生が主催して行われている読書会「私達の文学」シリーズの第2回「ますます新しい定番作品を読み解く」~夏目漱石「こころ」・森鷗外「舞姫」~です。渡邊春美高知大学名誉教授をはじめ大学の先生や中学・高校の先生方、一般の方や保護者、現役3年生の生徒が集まりました。年の瀬のご多用の中、有難うございます。

はじめに、小山先生の大学時代の同級生で、愛媛県立松山東高校で国語を教えられている岡田信先生から、漱石の「こころ」にも触れながら、「森鴎外『舞姫』をどう読むか」の表題でご講演をいただきました。「舞姫」に関わって、「人は、言えなかったこと、為しえなかったことにより、自らの生をかたちづくっていく他ないのか」という問いを立てて、「告白の遅れという問題」や、「手記の意味するもの」などについて考えると、その先に何が見えてくるか、なぜそれが見えるのか、そのことばはどこに記されているか、そして、その次にどんな問いが自ずと立てられるか...。岡田先生のご講演は、深層の底が見えないような恐怖さえ感じうる「読書の面白さ」を感じさせられるもので、こんなふうに本を読めば、さぞ楽しいだろうなぁと強く感銘を受けました。

後半は、グループに分かれて、「こころ」や「舞姫」、「羅生門」といった教科書の定番作品についてのディスカッションが行われました。
はるばる関東から来られた方もいらっしゃいました。とても有意義な、まさしく「読書会」と呼ぶのにふさわしい会になりました。有難うございました。
次回は来年2月7日(土)第3回「私だけの村上春樹を話します」です。参加申込みをお待ちしています。
