芸術鑑賞会

令和4年11月1日(火)、芸術鑑賞会が行われました。今年度は、狂言方和泉流の野村万蔵家一門の方に来ていただき、狂言を鑑賞しました。伝統芸能の鑑賞というと固く考えてしまいがちですが、初めに「狂言は、昔のお笑いのお芝居なんですよ」「だから、おもしろいなと思うところがあれば笑ってもいいんですよ」と説明があったこともあって、生徒も少し楽な気持ちで鑑賞ができたようです。

実は、この本番より1か月ほど前、10月5日(水)にワークショップがあり、高等部3年生は一足早く狂言に触れる機会がありました。2つの演目を鑑賞する前に、そのワークショップで練習した小舞「兎」を代表の高3生徒3人が披露しました。衣装もバッチリ着込んでの舞は、とてもかっこいいものでした。めちゃくちゃ緊張もしたようですが、「楽しかった」との感想が聞かれました。

披露いただいた演目は、「柿山伏(かきやまぶし)」と「附子(ぶす)」。「柿山伏」は小学校の国語の教科書に掲載されていることもあるようで、「知っている人?」の問いかけにちらほら手があがっていました。また、「附子」については10月の読書週間に、紙芝居の読み聞かせがあったので、それを聞いて知っている生徒が手をあげていました。

「見ておもしろいと思ったら笑っていい」と説明を受けたこともあり、演目が始まって演者がまさに「そろりそろり・・・」とすり足で出てきたり、大げさに笑ったり、泣いたりするだけで、動きやことばがおもしろく、会場からは自然と笑いが起こっていました。「柿山伏」は、狂言師のモノマネをする芸人さんがよく「あむ、あむ・・」と柿を食べる動作をまねしていますが、まさにそのシーンが登場する演目です。演目終わりで、柿を食べる動作を教わり、みんなでやってみました。(これは余談ですが、上記の芸人さんがやる柿を食べる動作は、和泉流ではなく、大蔵流なのだそうで、本日教えていただいた動作もあんな大げさは動きではありませんでした。)

2つめの演目「附子」でも、主人から近づいてはいけないといわれた入れ物に入った毒(実は中身は甘くおいしいもの)を、そのおいしさのあまり全部食べてしまう2人の家来の動きに笑いが起こっていました。発することばは昔のことばなので、何を言っているかは雰囲気でしかわからないのですが、コミカルな動きや絶妙の間(ま)、話す抑揚や繰り返しのやり取りなど、現代の笑いの要素に通ずるものも多くあり、会場から笑いと拍手が起こっていました。後から司会の方(ドロンズの石本さん)が、「いろいろな学校で公演をしていて、笑いは起こるが、拍手が起こることはあまりない」と言っておられました。鑑賞態度もバッチリだったということですね。

お礼のことばは、10月26日(水)に後期生徒会の役員に認証された副会長と書記がつとめました。舞台上で立派に感想とお礼のことばを伝えることができていました。