泉北高校の自然環境

泉北高校の生物の教員が、

この夏休みに泉北高校内や周辺でセミの抜け殻を集めてきました。

 

これが泉北高校内で取れたセミの抜け殻です。

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全部同じ種類じゃないんですよ。

この辺の地域では、2種類観察されるそうです。

 

拡大写真がこちら。

 IMG_5741.JPG 

大きい方がクマゼミ

小さい方がアブラゼミです。

 

もともと熱帯性のクマゼミは大阪付近にはいなかったそうですが、

近年は生息域が北上してきているそうです。

ヒートアイランドなどの影響でしょうか?

大阪でも、緑の多ところはアブラゼミの方が多く、

都市部などはクマゼミの方が多くなるようです。 

 

セミの抜け殻を集めて、2種類のセミの割合を知ることで、

その地域が

どのくらいそれまでの自然環境を保っているか

見ることができるのです。

 

泉北周辺のデータを見ると、

泉ヶ丘駅に近い公園はクマゼミが多く、駅から離れるとアブラゼミが多くなります。

泉北高校のセミの分布は、

周辺の公園に比べてアブラゼミの割合が多いようです。

自然が保たれているということでしょうか?

 

この調査は、生物の教員を中心に、10年以上にわたって続けられています。

1998年頃のデータと比べると、全体的にクマゼミの割合が多くなってきているようです

一方で、2003年頃からは2種類のセミの割合に大きな変化は見られません

 

これはどういうことでしょうか?

ヒートアイランド(つまり都市化)の進行が抑えられているのでしょうか?

 

すぐに結論を出すことはできません。

特に環境の変化や生物の挙動には、大きなタイムラグや局所性があります。

セミは成虫になるまで6,7年土の中で生活しています。

当然今年のセミの割合は6年くらい前に幼虫が誕生した時の影響を強く受けます

 

そのような複雑な現象をとらえるためには、

10年以上にもわたる継続的な調査が必要なんですね。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

投稿者
今野
コメント

ヒグラシとかツクツボーシはいないんですか?

投稿者
mas**
コメント

ヒグラシやツクツクボーシはもう少し自然の豊かな、つまり森の中でないとなかなか見られないみたいです。
ツクツクボーシなどは、クマゼミ、アブラゼミと少し時期がずれているので鳴き声が目立つのですが、個体数自体は少ないようです。
それでもたくさんの樹木がある公園では、ツクツクボーシの方は観察されるそうです。

ただ、環境変化などを観察する場合は、広い地域でたくさんの個体が見られる種類の方が、年や地域による比較をしやすいのです。
そのため、今回はクマゼミとアブラゼミの個体数調査の話を紹介しました。

ちなみに、ツクツクボーシや、特にヒグラシが見られるところは、自然環境が保たれているということですね。

皆さんの家の周辺は、どのような環境でしょうか?

投稿者
PTA
コメント

継続は力なり♪ 先生方の夏休み研究 ?ですね。実は私、近年蝉にひ勢力争い?に変化を感じておりました。我が家の庭先の蝉の脱け殻は、3対2位でアブラゼミが優勢でしたが、昨年に比べ総数が半減してました。鳴き始めも昨年より2週間ほど遅かったたです。
さて、ヒグラシは、5月連休に和歌山県山中で鳴いていました。山奥の静けさと、涼しげな鳴き声に風情を感じました。