泉北高校の生物の教員が、
この夏休みに泉北高校内や周辺でセミの抜け殻を集めてきました。
これが泉北高校内で取れたセミの抜け殻です。
全部同じ種類じゃないんですよ。
この辺の地域では、2種類観察されるそうです。
拡大写真がこちら。
大きい方がクマゼミ、
小さい方がアブラゼミです。
もともと熱帯性のクマゼミは大阪付近にはいなかったそうですが、
近年は生息域が北上してきているそうです。
ヒートアイランドなどの影響でしょうか?
大阪でも、緑の多いところはアブラゼミの方が多く、
都市部などはクマゼミの方が多くなるようです。
セミの抜け殻を集めて、2種類のセミの割合を知ることで、
その地域が
どのくらいそれまでの自然環境を保っているかを
見ることができるのです。
泉北周辺のデータを見ると、
泉ヶ丘駅に近い公園はクマゼミが多く、駅から離れるとアブラゼミが多くなります。
泉北高校のセミの分布は、
周辺の公園に比べてアブラゼミの割合が多いようです。
自然が保たれているということでしょうか?
この調査は、生物の教員を中心に、10年以上にわたって続けられています。
1998年頃のデータと比べると、全体的にクマゼミの割合が多くなってきているようです。
一方で、2003年頃からは2種類のセミの割合に大きな変化は見られません。
これはどういうことでしょうか?
ヒートアイランド(つまり都市化)の進行が抑えられているのでしょうか?
すぐに結論を出すことはできません。
特に環境の変化や生物の挙動には、大きなタイムラグや局所性があります。
セミは成虫になるまで6,7年土の中で生活しています。
当然今年のセミの割合は6年くらい前に幼虫が誕生した時の影響を強く受けます。
そのような複雑な現象をとらえるためには、
10年以上にもわたる継続的な調査が必要なんですね。
ヒグラシとかツクツボーシはいないんですか?
ヒグラシやツクツクボーシはもう少し自然の豊かな、つまり森の中でないとなかなか見られないみたいです。
ツクツクボーシなどは、クマゼミ、アブラゼミと少し時期がずれているので鳴き声が目立つのですが、個体数自体は少ないようです。
それでもたくさんの樹木がある公園では、ツクツクボーシの方は観察されるそうです。
ただ、環境変化などを観察する場合は、広い地域でたくさんの個体が見られる種類の方が、年や地域による比較をしやすいのです。
そのため、今回はクマゼミとアブラゼミの個体数調査の話を紹介しました。
ちなみに、ツクツクボーシや、特にヒグラシが見られるところは、自然環境が保たれているということですね。
皆さんの家の周辺は、どのような環境でしょうか?
継続は力なり♪ 先生方の夏休み研究 ?ですね。実は私、近年蝉にひ勢力争い?に変化を感じておりました。我が家の庭先の蝉の脱け殻は、3対2位でアブラゼミが優勢でしたが、昨年に比べ総数が半減してました。鳴き始めも昨年より2週間ほど遅かったたです。
さて、ヒグラシは、5月連休に和歌山県山中で鳴いていました。山奥の静けさと、涼しげな鳴き声に風情を感じました。