第50回 定時制通信制実業総合体育大会

この大会は、先に開催された「秋季生徒発表大会」が文化の部とすれば、体育の部の全体の行事です。日頃他校との交流が少ない中で、他校を訪問するということでも貴重な行事となっています。この大会は「実業」を名乗っていますが、普通科の定時制高校も、また公立私立を問わず参加可能です。今年度は本校が当番校で、先生方は10の競技に競技役員として運営にあたっています。

 

 試合を観戦しますと、各校それぞれに盛んなクラブ、得意な競技があるようです。本校は剣道と硬式テニスで優勝しました。どの競技もなかなかの熱戦を展開するのですが、参加生徒間に経験や技量の差が大きいというのも特徴でしょうか。私は試合の勝敗より、他校の選手と向き合って、どれだけ自分が現在持っている力を発揮することができるかという、自分との勝負に克つことが問われていると思いました。

 

閉会式の表彰では伝統あるカップや賞状を手渡すのですが、挨拶で私が必ず伝えるのは、50回の伝統を大切にして是非後輩たちに引き継いで行ってほしいということです。クラブ活動の楽しさを後輩たちに伝え、一人でも多く仲間にしてほしいと思います。

 

「参加することに価値がある」という言葉がありますが、この言葉がこれほど似合う大会はないのではないでしょうか。特に団体競技など、一人が欠けることで試合が成立しない、参加できないということもあります。日頃の仕事や夜の勉学の合間の貴重な休日をこの大会のためにあてるというのは、定時制に通う生徒にしかわからない葛藤があると思います。それを乗り越えて、試合に臨む、このときすでに彼らは勝者なのです。