学年閉鎖中も先生方は頑張っています!

 現在本校は1・2年生が学年閉鎖中で、自習に来る3年生のみが登校しているという状況ですが、そんな中でも先生方の多くは休むことなく泉陽高校の教育の質の向上に向けて色々と取り組んでくださっています。

 ということで、今日は「進路指導と学力向上」をテーマに研修を行いました。初めに全体会として、首席のN先生よりこれからの大学入試改革に関する報告がありました。続いて進路指導部長Y先生の説明の後、今年度の69期生のセンター試験結果について各教科ごとに全国平均や超難関校志望層と比較して泉陽生は何ができていて何ができないのか、それはどういうところに原因があるのかについて分析・検討しました。

 私も国語科の先生方に混ぜていただいて色々とお話を聞かせていただきました。その中から特徴的な課題を一つ紹介します。

 第1問の設問1は漢字の書き取りで、その1問目は「十五年でバイゾウする」でした。選択肢は「①細菌バイヨウの実験、②印刷バイタイ、③裁判におけるバイシン制、④事故のバイショウ問題、⑤旧にバイしたご愛顧」で、泉陽生の正答率が49.3%でした。公立トップ校平均66.9%、東大トップ校78.9%に及ばないのは仕方ないとしても、全国平均の54.2%と比べてもなんと5%も低くなっています。「倍増」はそれほど難しい漢字でもないので、最初この結果を見たときに大変驚きました。先生方の分析では、「原因は『旧に倍する』という表現を聞いたことがないのだろう。また、他の4つが正確に書けなかったのだろう」ということでした。(ちなみに若い先生の中にも「旧に倍する」を聞いたことのない人がいらっしゃいました。)

 そうかと思うと、漢文の最初の問題「蓋」の読み方は正答率70.4%で、なんと東大トップ校の69.0%よりも上回っています。実はこの字の読み方は授業でやったそうで、しかも覚えておくようにしっかり強調されたそうです。

 他にも「生一本」(30.7%)など、同じような話がいくつか出ていましたし、他の教科でも同じような話が出ていたろうと思います。結論として、どうやら泉陽生は、習ったことは単発的な知識として結構しっかりと覚えてくれるが、その知識の集合体の中から必要なものを選び出して組み立てながら自分なりの答えを作るのがまだまだ苦手なようです。

 そこの力を付けようと思えば、普段からそういう訓練を重ねて論理的に思考する習慣を身につけるしかないですね。分らなくてもしっかり考えて正解に近づくことができる力を身につける・・・これが泉陽生の今後の学力向上のポイントであり、泉陽高校の授業改善のポイントだというのが今日の研修から感じた私の一番の課題です。 さあ、何から始めようかな?

 とりあえず泉陽生の皆さんは本を読まないだけでものを知る機会、考える機会、増えるはずの語彙を確実に失っていますので、読書から始めてください。