今日の授業見学は3年生の古典ばかり4連発です!

 今日は午前中に3年生の古典ばかり4クラス続けて見学に行きました。1限目は国語演習で今日は「無名草子」の問題演習に取り組んでいました。「あさまし」のように現在とは違った意味で使われる形容詞など、50分の中でたくさんの暗記事項が出てきました。すでに習ったことがしっかり身に付いていない人は、身に付いている人に比べるとやはり辛そうですね。あと文学史に関して、「日本最古の物語は何か?」という質問に対してあまり反応がなかったのが気になりました。答えはもちろん「竹取物語」ですが、「源氏物語」の中でも「物語の出で来はじめの祖」と書かれていますので覚えておいてくださいね。

 2限目は「更級日記」の読解です。主人公が源氏物語を手に入れた話の最後の箇所の解釈で、現代語訳しながら紛らわしい語の識別などについて学習していました。昨日の源氏物語「若紫」と同じく、多くの学校で扱われるポピュラーな素材ですが、当時の女性の様子など、確実に身に付けておきべき基本的な知識がたくさん詰まっています。今日の説明で勉強になったのは、女性の成仏に関して「法華経巻の五」の内容(気になる人は「提婆達多品第十二 竭羅龍王女」をネットで調べてみてください。)を説明してくださったことでしょうか。また、「頭の辞書のボリュームをアップさせる」というのもその通りだと思いました。

 3限目のクラスは「大鏡」の「肝試し」で、「どうして肝試しに行くことになったのか」といった辺りを学習していました。これも「若紫」や「更級日記」同様、たいへんポピュラーな作品です。登場人物(全盛時の藤原氏など)の人間関係や時代背景の理解、敬語の識別にはもってこいのお話です。「謙譲語と尊敬語が使われていて二人の人物に対する敬意『二方面への敬語』が使われているのに、主語が省略されていて分りづらい」―こういう文を正確に理解する練習にも最適だと思います。しかし、「こわし」や「御まもり」について説明がありましたが、現代っ子である高校生は我々が当たり前に知っている事柄(例えば「こわいご飯」、「校長がどうして神頼みするか」など)を知らないのがかわいそうですね。こうした「お年寄りにとっては当たり前知識」を知らない人は、知っている人に比べて明らかにハンデがありますね。それにしてもI先生、いい声で語られます・・・(笑)

  4限目は3限目と同じく「大鏡」の「肝試し」ですが、このクラスは最後の部分を学んでいました。この部分は二人の人物に対する敬意「二方面に対する敬意を表す敬語」のオンパレードです。これに関して、授業の中で生徒たちが先生の質問に結構きちんと答えていたのに感心しました。さすがに鍛えられていますね。で、担当のT先生ですが、いつも非常にエネルギッシュでエキサイティングな授業です。最近誰かが先生のパワーに当てられて鼻血を出したそうで、今日の授業前に校長が鼻血を出さないように抑え気味でやるとおっしゃってました。おかげ様で鼻血を出さすに済みましたが、それでも十分にエキサイティングでしたね。(笑)

 3年生の皆さん、古文・漢文は覚えることが多くて大変だとは思いますが、それを我慢して払った努力の分だけ確実に力は付きます。まさしく「努力は人を裏切らない」科目だと思いますので頑張ってくださいね。