1学期 始業式

平成27年4月8日(水)、新入生と在校生との対面式をおこないました。その後、始業式を挙行しました。下文は、始業式の校長式辞です。

 

 皆さん、おはようございます。

平野前校長に引き継いで、本年度より新しく校長に着任しました竹下です。よろしく、お願いします。

皆さんとは形の上でははじめて会ったことになっていますが、1年生は入学式で会っておりますし、上級生も部活動の登下校で会っております。皆さんを垣間見て、いい学校だなと感じました。挨拶をしてくれる、身だしなみがしっかりしている事もありますが、皆さんが真っ直ぐ前を向いて頑張っている雰囲気を感じました。この真っ直ぐ頑張ることのできる学校は、あまりありません。学校は、自己を変容させ、自己改革する場です。槻の木高校では、皆さんの先輩や教職員がそれを続けてきた結果だと思います。

ある哲学者が、「脱皮をしない蛇は滅びる。」と言いました。後に文章がつくのですが、自分の考えに頑なで、人の意見や考えを取り入れない者は、思想的に滅びるという意味です。変容や自己改革をしなければ、脱皮しなければ、人は大きく成長しません。

そのような、自己改革の雰囲気を槻の木高校ではわずか創立10数年で作り上げたのです。と同時に成果を上げました。例えば、進学実績では今年、大阪大学をはじめ関関同立には延べ人数で200人以上合格しました。これは、変容や自己改革を恐れない槻の木高校の成果です。これからも、引き継いで、皆さんと共に成長させたいと思います。

そのために、皆さんと一点だけ、共にやっていただきたいことがあります。それは、槻の木高校を今まで以上に「学びの場」にすることです。「学びの場」とは、日常ではありません。違う時間が流れ、違う風が流れ、違う価値を知り、違う知識を手に入れ、最後に違う可能性を感じる場です。その「学びの場」は特別な場であり、ある意味神聖な場です。その「学びの場」を作りたい。施設の問題ではありません。

例えば、江戸時代の幕末、大阪の北浜に私塾の適塾ができました。適塾は緒方洪庵が作り、福沢諭吉や大村益次郎を輩出した学校です。この適塾を実際に見ると、本当に小さな町屋です。ここに全国が多くの若者が集まったとは信じられません。その若者たちは、その施設に集まってのではなく、その学校の可能性に集まったのです。この狭い所で、一冊の辞書を取り合いながら勉強したのです。「学びの場」とは、日常と違う空間を共に作っていくことです。

1年生は、まず学び方を学んでください。挨拶をする。時間を守る。身だしなみを正すなどは、学びの場を作るためのものです。他にも宿題や課題をこなす必要があります。これが学びの場での基礎となります。しかし、このような事を継続することは苦痛が伴います。まずは、それを乗り越えてください。

2年生は、学び方は学んだと思います。もう変容を始め、脱皮をする時期です。そして、次の可能性の窓を見つけ、そこに進みだしてください。その意味では重要な時期です。

3年生は、もう脱皮を終え、大人になり、この学びの場から次の世界へ出ていく時期です。3年生は結果を求めますし、勝負の年です。成果を期待しています。

皆さんが、1年後大きく変容し脱皮していることを期待して挨拶とします。