生憎の雨ですが、令和3年度、2022年がスタートしました。雨を降らす雲を突き抜ける一筋の光明を見出し、希望を持ち続けられるよう願いを込めました。以下が3学期始業式の式辞です。
おはようございます。本日は、3学期の始業式です。そして同時に3学年そろっての最後の式となります。始まりと最後が同居した式であるということを踏まえてお話をしたいと思います。
では簡単なクイズです。「始める」、あるいは「始まる」を英語に直してください。「start」「begin」あたりが思い浮かんでいますか?3年生の中では 「launch」「commence」などがささやかれているかもしれません。startとbeginってどう違うかわからへんなどと悩んだことがありませんか?意味の近い言葉の違いが分からないときにはその言葉を派生させてみる。例えば動詞を名詞に、名詞を形容詞に変化させてみると意味が分かりやすくなることがあります。この場合、人を表す-erをくっつけるとふわーと違いが分かるかもしれません。Starterは出発を促す人。Beginnerは初心者。みなさんの中にStarterとBeginnerを同居させてほしいのです。自らにスタートを切らせ、初心者として新しいことに取り組む人になってほしいのです。いいスタートを切るためにはしっかりとした振り返りが必要です。3学年そろった全校生徒へのFINAL Messageです。2021年を少し振り返ります。
1学期の始業式、こんなことをお伝えしました。
一人一人が心の中で「夢、想い、願い」を持つこと。「夢、想い、願い」を言葉にする。そして周りの人はその言葉を発した人に対して「いいね」をつけてください。「い、労わり」「い、癒し」「ね、労う」の「いいね」をつけるのです。労わり、癒し、労うために3つの様、「お疲れさま」「お互いさま」「お蔭さま」と声を掛け合いましょう。「いいね」が飛び交い、支えあうTEAMになれるはずです。
1学期終業式では、自分を信じて夢を叶え歌手になったかつての生徒の話をしました。
願う、望む、祈る、強い想いを持つ。これに勝る力はありません。不確かなことばかりしか届かない毎日の中で私たちを救ってくれるのは自分を信じるということしかないのではないかと思っています。人が言うと書いて「信じる」。オリンピックでの自分を信じたアスリートの数々のパフォーマンスを目にし、自分の夢を、願いを、想いを形にする第一歩にこの夏休みがなることを願い、信じています。
2学期の始業式では少し力が入ってこんなことをお伝えしています。
2学期には、文化祭、体育祭そして2年生は修学旅行もあります。この厳しい感染状況の中ですが現時点ではすべてを実施する方向で考えています。簡単なことではありません。まず、我々教員は、生徒のみなさんがきちっと感染症対策を守れると信じなければなりません。そして、生徒のみなさんは教員から言われなくても、自分たちの行事を自分たちでマネジメントできるところを示さなくてはいけません。できませんか。できますよ。芥川高校にいる生徒のみんなが自分たちで学校を作っていく瞬間を体験するのです。
そしてつい先日の2学期の終業式では次のような話をしました。
ずっと積み重ねてきたFINALの出来事をしっかり意識してやり切ってください。「何か」をやり終えた人には必ず心の中に「何か」が宿ります。その「何か」はみなさんの一生の中で支えになるものとなるでしょう。一瞬が一生に転換する機会を得てほしいと思います。
4回の式辞の中で共通して触れているのは「心の中に何かを抱く表現」夢、願い、祈り、望み、強い想い。いろんな厳しい状況が、何度も何度も私たちの身に降りかかってくる。その中で「心の持ち方をどうするのが一番いいのか」を何とかうまく伝えられないかとそればかりを考えていました。皆さんにそう伝えることで、自分自身もそう思えるように自分の心を整えようとしました。
正直に申し上げると、何度も望みを持ち、何度もその望みを失いました。「失望」です。でも、生徒の皆さんや自分の周りの多くの人たちに支えられ、望みを絶やすこと「絶望」には至りませんでした。それとは逆に、 希な望み 「希望」を見出し、前へ進んできました。
今もなお刻々と状況が変わっており、最善の策は常に変化します。その度毎に診断、判断、決断しなければなりません。物事の中にプラスを見つけ、支えあい、わずかな光を求め、望み、そこから何かを見出していく、2022年、みなさんがいいstarter, beginnerになることを願い、祈り、理想へのらせん階段を上り続けることを信じ、3学期始業式のあいさつとします。