心の真ん中で受け止めればそれは

非常に寒さが厳しい日でしたが、芥川高校では種々の熱い活動が行われ暖かい空気に包まれた一日となりました。

グランドでは、浦堂認定こども園の園児、保護者が「親子伝承遊び」を体験する企画が行われました。凧揚げをしながら所狭しと走り回る子供たちや、縄跳び、竹馬、輪投げ等を親子で楽しんでいる姿に心がほっこりしました。次年度は感染状況が落ち着き本校の生徒も家庭科の実習として参加できることを願いながら様子を拝見しました。

4階では1,2年生が模擬試験を受験していました。当然のことですが、模擬試験は当日の今日だけが勝負ではなく、いかに普段の学習に取り組めているか、また、課題を設けて対策を立てて受験できているか、そして試験の振り返り、結果が返ってきてからの分析、このサイクルがうまく回って初めて模試の受験の成果が出るものです。事前の対策講座での真剣に取り組む様子を見ていると結果の如何にかかわらず、実り多いものになることは間違いないと思います。

そして令和3年度の第3回の学校説明会です。感染が爆発的に広がり、非常に気温の低い中で多くの中学生、保護者に来ていただき受け入れる高校側のスタッフとして改めて身の引き締まる思いがいたしました。本校の生徒の皆さんは同じ思いで来場された方々をお迎えしました。司会を務めてくれた放送部のスタッフ、クラブ紹介の映像を提供してくれた写真部員、寒い中、笑顔を絶やさず会場までの案内をしてくれた各部活動の部員たち、みんな、役割を心の真ん中で受け止め、触れ合う人に想いを届けてくれていたことに感謝いたします。本日本校を訪れてくださったすべての方々、また、お世話いただいた皆様、暖かい時間をいただいたことに心より感謝申し上げます。

以下は冒頭の校長あいさつです。

おはようございます

芥川高校校長の高江洲です。感染状況が大変厳しい中で、令和3年度第3回の学校説明会へお越しいただきありがとうございます。後ほど本校教員並びに在校生からパワーポイントや動画で学校についての説明や紹介がなされますので、私のお話はそのイントロとしてお聞きください。

前方のスライドをご覧ください。~こころを奏でる 想いをかなえる~ 高校生活で「こころ」を「奏で」てもらい、みなさんがそれぞれ持っている、あるいはこれから持つであろう「想い」をかなえてもらう そんな3年間を芥川で過ごしてもらえることを願っています。

では、どうすればこころを「奏でる」ことができるのでしょう。それはメッセージをどう受け止めるかということにかかっていると思っています。今からいろいろみなさんに問いかけますので質問に答えながらメッセージの奥にあるものは何かということに思いを巡らせながら、どうこころを「奏でる」のかを考えてみましょう。

こころの中に映像を浮かべてみてください。今から、ある家庭の、朝の風景をお届けします。『母親が名前を呼びながら「7:00やで起きや~。」と声を掛けます。息子は最初無視、5分後くらいに「うるさいな~」と返事。母は「あんたが7時に起こしてくれっていうたから声かけたんやんかっ。」再び寝た息子は7:30頃に階段を大きな音をたてて降りながら、「おかん、なんでたたいてでも起こしてくれへんねん」と大声をあげ、「遅刻するやんけ」と怒鳴り、母親は「知らんがな」と横を向いてしまいました。』

なぜこんなことになってしまったんでしょう。何か書くものを用意してください。では紙に「こころ」と漢字で書いてください。そしてカタカナの「ノ」を「心」の右側の二つの点の間に入れてください。出来上がった漢字は「必(ひつ)」ですね。必要、必然、必須、必死、必殺技の「必」です。訓読みは「必ず」ですね。息子は7:00に「必ず」起きる必要があったのですが、自分が頼んでいたにもかかわらず母の言葉を「受け止め、受け入れる」ことができませんでした。母親は息子のことを思って声掛けしたにもかかわらず、怒りの矛先を向けられたことでやるせなさを感じています。もし息子が真正面で母の言葉を受けとり、「おはよう、ありがとう」とお礼が言えたなら、母も笑顔で「あんたの好きなスクランブルエッグできてるで」と笑顔で返していたかもしれません。

こころを「奏でる」ために大切なことは、まず、自分へ投げかけられた言葉やできごとを、自分にとって都合のいい、悪いにかかわらず、「必ず」、自分にとって「必要な」言葉、「必然的な」できごとだと受け止められることです。物事を正面から受け止め、受け入れることでメッセージの本質と向き合い、「自ら道を切り開いていく力」を身に着ける姿勢が備わります。

想いや言葉を心の真ん中で受け止め、受け入れる。受けるという字「受験」の「受」ですね。では、「受」という字を書いてください。そして漢字の「心」とカタカナの「ノ」を「受ける」という漢字の真ん中に入れてみてください。どんな漢字が書かれていますか?「愛」という漢字が見えていますか?自分に投げかけられる言葉、想い、身の回りで起こるできごと、すべてのことを心の真ん中で受け止められればそれはすべて「愛」のあるメッセージなんですね。いろんなできごとを心の真ん中で受け止められるようになれば、愛情に満たされた人生になります。その心持を保つことによって「豊かな人間力」が備わっていくのではないでしょうか。

そして受け止めた「愛」「喜び」「幸せ」を周りの人に届けたいと思い、実際に身の回りにいる人に働きかけられるようになれば「グローバルな視野を持ち、自ら考え、行動する力」へと繋がっていくでしょう。

高校生活の中で課される様々な課題や活動のメッセージの奥にあるものを感じ取り、「必要不可欠」なことだと受け止め、自分に対して投げかけられる言葉や想いを心の真ん中で受け止め、「愛情」を感じることで3つの力を身に着け、その力を土台として 皆さん一人ひとりが~想いをかなえる~ことができる、そんな高校生活を過ごしてもらえることを願ってやみません。

どんな課題や活動があるのかはこの後の説明に託したいと思います。

本日は、放送を通じてのご挨拶となりました。次回は真正面で向き合い、心の真ん中で受け止めてもらえるような言葉を直接かけられることを心の中に想い描き、今日のメッセージの中に少しでも「愛」を感じていただけることを願い、私のごあいさつといたします。

先生方、本日はありがとうございました。誰にも気づかれないところで懸命にお仕事をしてくださる方がいるお蔭で今日も一日、無事に行事を終えることができました。心から感謝申し上げます。ありがとうございました。