SSH科学部きのこ班の活動報告2日目

神奈川県小田原でのきのこ部合宿2日目は地下生菌や博物館の学芸員の仕事といった内容の講演をしていただきました。特に地下生菌の研究者は日本でも数人しかいないため、その特殊な生態は非常に興味深かったです。
その後博物館の標本庫の見学をさせていただきました。

菌類だけでなく、植物や昆虫、粘菌、鉱石、骨など様々な標本を収蔵しているため非常に広いナフタレン臭のする独特な雰囲気のスペースです。1階と2階間の床が全てグレーチング(金属の格子)なので高所恐怖症の人には厳しい部屋です。
菌類だけで数万点の標本が保管されており、初めて新種として報告された際に使用された貴重なタイプ標本もあります。きのこ標本だけでなく、今関六也氏によるきのこの色彩画や昆虫標本なども見せていただきました。
さらにたまたま遭遇した昆虫の学芸員の方にはハチを中心とした昆虫標本についてのお話をしていただきました。きのこの話を聞いていた時よりも目が輝いていたような・・・。
普段は見学できない博物館の裏側が見れて非常に幸せな時間でした。

標本庫の見学後は前日に採ったきのこの顕微鏡観察です。
きのこ部がこれまで扱ってきた分類群は平滑な胞子が多かったので、イボ状や針状の突起を有した胞子や子嚢菌の子嚢など普段観察しないものを見ることができました。

前日に採集したきのこの中でも私が最も興味深かったのがこのきのこ。Gautieria属の一種。
ホウキタケというサンゴ状のきのこが地下生菌へと進化したもので、脳みそのような見た目です。
地下生菌は胞子の空気散布能力が消失しており、動物や虫を介して胞子散布を行うため特殊な臭いを発するものが多いですが、このきのこは特に強烈でした。部屋がガスのようなにおいで満たされます。採集した場所でも強烈なガス臭がしていました。動物や虫にとってこれが良い香りなのだろうか・・・。
顕微鏡観察の後は博物館の一般展示を見学し帰路へ着きました。

なかなかタイトなスケジュールで、二泊くらいできたらと思った弾丸合宿でした。
また来年もどこかに行きたいものです。