修学旅行に参加すること

        ~純日本文化の世界へようこそ~

修学旅行に参加することは、日本文化を味わうことだという気がします。これは、明治19年(1886年)以来(公益財団法人日本修学旅行協会 HPより)の伝統をもつ、一つの国民的行事です。学年で目的地を絞り込んで実施するという国は、日本以外にいくつもないようですし、そんな形態を日本より古く始めた国もないようです。

適度な規制・しめつけと、その目をかいくぐっての(ほどよい?)逸脱行為。それらの綾なす、そこが旅行先なのか学校なのか判然としない1日24時間のおつきあい。非日常の何日間か。終了後、多くの教員は丸一日寝込んでしまいます。

安価なパック旅行があり、自由な個人旅行ができる時代に、修学旅行が生き残っているのはなぜなのでしょう。かつて日本が植民地とした国でも実施の例があるようです。これは不思議なことです。

 私の実感では、修学旅行は終わってから時間が経つごとにその本当の意味が出てくるのです。卒業後の同窓会で、「あの時、君(先生)は・・・」と話が盛り上がるのもその一つでしょう。共に過ごした時間、成長した今の姿をお互いに確認し合う瞬間です。修学旅行は、生徒と教員の次の旅への始まりでもあるのです。

今回の修学旅行では、琉球文化や嘉手納の見学などを通じて、主に現在の沖縄の姿を体験し学習します。十分に楽しみ、感じてくれるものと信じます。しかしその底に重い歴史が折り重なっていることも事実です。今回の訪問が、君たちが違った沖縄の姿を学びに来るきっかけとなれば、と思います。                    <修学旅行のしおり>