うれしい便り

一般に定時制高校には多様な進路を志す生徒が集まりますが、本校にも進学をめざす生徒がいます。何名かはすでに志望校に合格しているのですが、最後に残った4年生の一人を案じていたところ、志望校の私立大学・法学部に合格したという連絡が舞い込みました。その大学の卒業生は、本校に私を含めて何人かいるのですが、その先生たちは、教え子が後輩になるという喜びを存分に味わっているようでした。 

 その生徒U君は、2年生の10月頃に進学しようと決めたのだそうです。相談を受けた担任は、本人に受験科目の先生に指導をお願いさせ、それに応じた先生方が指導を重ね、この成果をみたのでした。私も夏ごろアドバイスを求められて、「基本事項を確実に、何度も何度も」と言ったことがありました。彼は技術系科目が多い本校で、決して抜群の成績を収めていたわけではありませんが、一つの目標をもってこれに全力を集中しました。進学を決めてから仕事には就かなかったということですので、文字通り受験だけに打ち込んで努力したわけです。 

年明けに生徒に伝えた「夢をもつこと」を、彼は何年も前から実践していたのでした。私はこういう生徒たちがいることをうれしく、また誇りに思います。4年間無遅刻無欠席の生徒、3年間連続全国大会優勝の生徒等など、目標を実現してまもなく卒業してゆく生徒たちの後ろ姿が、まぶしく輝いています。