平成26年度 卒業式式辞

卒業生のみなさん、ご卒業おめでとうございます。本校では、本日ここに27名の卒業生を送り出すことができました。皆さんのうち、多くの人たちが昼間働きながら所定の学業を成し遂げたということ、また夢を実現したということに、改めまして敬意を表します。これは決してたやすく、平凡なことではありません。1日1日が、限られた時間や昼間の疲れとの戦いであったと思います。雨や風、また氷が張り始める酷寒の夜など、君たちがしっかりと学んでいる姿を見て頭が下がる思いをしました。また、残念ながら途中で挫折を余儀なくされた仲間たちがいるということは、この何年間かの本校での学校生活が、想像をはるかに超える厳しいものであったことを示しています。これに耐えたみなさんは、どうか自信をもって、堂々と胸を張って茨木工科高等学校・定時制の課程を巣立って行ってください。

考えてみますと卒業式は、喜びとともに別れの寂しさが混在する行事です。新しい世界への旅立ちには、別れや不安、痛みもあります。現実の世界には多様な価値観や、譲ることができない立場や信念があり、また利害の対立があり、見るに堪えない場面を目にすることも数多くあります。実際にそんな場面に直面することがあるかもしれません。このような世界・社会の中でどのように生きてゆけば良いのでしょうか。これに対して私は年明けの集会で、「夢や希望をもって生きること」を伝えました。我われが生きてゆく上で、芯になるのが夢や希望です。夢や希望を叶えること、その努力の積み重ねが、生きることそのものだと言えるかもしれません。君たちは自分なりの夢や希望、目標をもって、自分の足でしっかりと自分だけの大切な人生を歩んで行ってください。

 君たちの中で多くの人が登校時に使った東門に、大きく「誠実明朗」と刻まれた石碑が立っています。社会で生きる上で最も大切なこと、成功の秘密が、この四文字に込められています。素直で明るく毎日を過ごすこと、そしてさらに心の中にしっかりと夢や希望をもって毎日を生活すれば、必ず生きがいのある幸せな人生を歩むことができると私は確信します。

これから皆さんと我われとは、学校の場での生徒・教員の関係でなく、大きな社会の中で個人と個人との対等な関係になります。皆さんが成長するように、我われ教員もまた、まだまだ成長して行きます。どうかいつまでもこの結びつきを絶やすことなく、互いに励まし合いながら、生き生きと生き、ともに成長して行きましょう。

結びに、これまで生徒たちを温かく見守っていただきました保護者並びに関係者のみなさまに、心からお礼を申し上げますとともに、重ねてお祝いを申し上げ、祝辞と致します。

               平成27年3月4日

               大阪府立茨木工科高等学校 定時制の課程

                             准校長 小河原康雄