9月26日(木)3時間めに2,3年選択授業「看護福祉」を見学しました。担当は特別非常勤講師としてお世話になっている谷本先生で、16名の生徒が学んでいます。
この時間のテーマは「『幸福(幸せ)』について考えてみましょう」です。生徒に配られたプリントの冒頭に、次の一文が記されていました。
「『福祉』という言葉には『幸福』という意味があります。『社会福祉制度』や『援助』について考えるうえでも、『幸福』について考えることが不可欠です。そこで『幸福(幸せ)』について考えてみましょう。」
とても奥の深い学びになりそうな予感がします。まず、初めの問いに自由に答えます。生徒たちはそれぞれの「瞬間」を答えていました。
「1.あなたが、『幸せを感じる瞬間』は、どんなときですか?」
・友達と遊んでいるとき ・することが終わって寝る前 ・お風呂に入っているとき ・旅行の予定を決めるとき ・ぐっすり眠れたとき ・推しの動画を観ているとき ・家族や友達と出かけているとき ・大笑いするとき ・牛タン食べているとき ・好きな音楽を聴いているとき ・遊んでいるとき ・ドラマを観ているとき ・喉が渇いているときに炭酸飲料を飲むとき
かなり具体的な「瞬間」もあって面白いです。次の問いに進みました。生徒たちが答えます。
「2.あなたにとって『幸せな状態・状況』とは、どんな状態・状況ですか?」
・悩みを話せる人がいる ・丸一日予定がない ・帰る家がある ・家族と仲が良い ・生活面が充実している ・友達関係が良好 ・三食毎日食べられる ・心に余裕がある ・暮らしていけるだけのお金がある ・学校に行ける ・家族や友達が健康 ・自分の欲を満たすことができる ・暖かい部屋とベッドがある
こちらもいろいろな答えが出されました。簡単に答えられそうにも思うし、突き詰めるととても難しくも思います。他の誰かが不幸せな状況であるのを知っているのに、自分は幸せな状況だと言い切れるのか、などと思うのです。
「3.上で挙げた『幸せ』のうち、すべての人々に当てはまる『幸せ』はあると思いますか?」
「5.いろいろな『幸せ』がありますが、その中で『それだけあれば十分だ』(他の状況がどれほど悪くても構わない)と言えるような『幸せ』はあると思いますか?」
「すべてに人に当てはまる『幸せ』もないし、『それだけあれば十分だ』というような幸せもない」と、先生が話されました。「それぞれの『幸せ』は異なっていて、ある1人の『幸せ』を考えるとき、その人の全体を考慮する必要がある。」
なるほど同感です。そして、授業は、認知症高齢者のグループホームのあり方についてDVDを観ながら考察を始めます。高齢者にとって「幸せ」とは何だろうと、考え続けることはとても大切だと感じました。
予感していたとおり、奥の深い授業でした。勉強にありました。有難うございました。