「今宮に学ぶ」~小山先生の講演を聴きました

 今日は大寒。アメリカ・ワシントンD.C.では、最高気温が氷点下の大寒波に見舞われているようですが、大阪は春先の水仙郷にいるような陽射しに包まれています。

 6時間め、多目的ホールで1年生と一緒に小山秀樹先生の講演を聴きました。小山先生は、26年前に本校に着任し、以来今日まで本校で国語の教鞭をとられています。言わば「今宮総合学科の生き字引」のような先生です。着任2年めに「私達が立っている場所」と自ら命名された現代文の授業を立ち上げられました。続けることって本当に凄いことだなぁと思います。小山先生は25年間毎年この授業を教え続けられました。今やその教え子は800名にもなります。今年度25周年を記念して「私達まつり」と、これもご自身で名付けられた特別な催しをされています。この授業での学びが、今それぞれの社会生活の中でどのように生かされているか、11月には3名の卒業生が3年生に授業で語ってくれました。週末の25日(土)には、第2弾として石井英真京都大学准教授と山元隆春広島大学教授、そして、「私達が立っている場所」を学んだ総合学科8期生で漫画原作者の金城宗幸さんによるスペシャルトークとディスカッションの催しが行われます。こんなことを企画して実現してしまうのも、小山先生の凄いところだなぁと敬服します。

 私も小山先生と同じ年に本校に着任しました。そして、総合学科5期生の担任を一緒にしたことなど、14年間ともにこの今高で勤めてきましたが、改めて先生の、生徒に対することばの投げかけをじっくりと聴いたことがなかったように思います。だから今日はとても楽しみでした。

s-20250120 (2).jpg

 今日のテーマは「今宮に学ぶ」です。今高に入学して10か月、卒業まであと2年と1か月。1年生に向けて話されたことばの一つ一つに、研ぎ澄まされた「ことばの力」を感じました。記憶はことばとともに残るんだなぁと強く心に刻まれた時間でした。

 先生は分かりやすい例を挙げて「人は自分の大きさでしかものを見ることができない」ことを話されました。だから自分の大きさのレベルを上げることが大事だと説かれました。また、「捕らわれた自由」ではなく、「自律した自由」を獲得することが大事だとも説かれました。そして、近代人である私達が持つ最高の自由は「職業選択の自由」である、すなわち「『なりたい自分』になることができることである」と話されました。『なりたい自分』になるために、自分を律する自由を手放さないことが重要だと伝えられました。それを理解することが「今宮に学ぶ」ことだと仰っているようでした。

 さすが国語の先生です。先生が選んだ言葉が並べられていくと、それぞれの言葉が相互に研ぎ澄まされて洗練された一文となり、伝える力を宿すのだと感じ入りました。生徒の皆さんは、どのように受け止めたでしょうか。

 いっぱい学んで、いっぱい考え、いろんなことを知ってください。すると、自分だけの最高の自由に手が届くイメージが実像となって、ふわりと眼前に現われることでしょう。その瞬間を楽しみに、ワクワクしながら毎日を過ごせたら勉強がもっと楽しくなるかもしれません。皆さんがどんな人になっていくかとても楽しみにしています。小山先生有難うございました。