今日は1日出張でした。「第26回近畿地区高等学校総合学科教育研究大会」が兵庫県西宮市で開催され、近畿地区総合学科高等学校長協会会長(主催者)として出席しましたが、企画・準備・運営などの実働はすべて兵庫県総合学科高等学校の校長先生方で行ってくださりました。
午前中は、兵庫県立伊丹北高等学校、兵庫県立西宮今津高等学校、兵庫県立武庫荘総合高等学校の3校で授業見学が行われ、私は西宮今津高校へ行ってきました。同校は本校と同じ普通科から総合学科に改編された高校で今年度で創立48年になります。
何と本校と同じ、西宮今津高校も「今高」と呼ばれているとのこと、ご縁を感じずにはいられません。7割以上の生徒が四年制大学に進学するところも本校と似ていました。生徒はどの授業もとても熱心に取り組んでいてましたが、特に印象的だったのが老化に掲示された体育大会の大きなポスターです。情報の授業で制作しているとのこと。とても立派でデザイン性も高く感心しました。
午後から西宮市民会館(アミティ・ベイコムホール)に会場を移して、13時30分から大ホールで開会式、生徒発表、記念講演、閉会式を順に行いました。
生徒発表は、本日見学会場となった3校から、それぞれ探究の発表がありました。西宮市を流れる川に絶滅危惧種のニホンウナギが棲息していること、しかし、外来種のブラックバスによって殆ど見かけなくなっていたので、毎日ブラックバスを捕獲して実際にニホンウナギの個体数を増やしたこと等、ニホンウナギを守りたいという熱意に突き動かされて、自分のしたいことを思い切り楽しんでしている様子が伝わる発表など、どの発表もとても素晴らしい内容でした。発表資料は下記のQRコードからご覧ください。
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記念講演では、一般社団法人「みつかる+わかる」代表理事の市川力氏をお招きし、「予測困難な社会に対応する『探究学習』のあり方とは」の表題で話してくださりました。
「探究」を「探検」と「研究」に分けて捉え、「研究」のスパイラルを繰り返すだけでなく、生徒の主体的で能動的な行動を引き起こす「探検」も同時にスパイラルが繰り返されることが肝要であることを、2歳児から大人までを対象とする多くの実践事例から話してくださりました。
共感することがとても多く、私も探検心や冒険心に満ちていた子どもの頃のような「ワクワク・ドキドキ」する心を持ち続けていることが、探究の原動力となる一番大事なことだと思っています。
「探究」は先生がティーチャーでもなく、ファシリテーターでもなく、ジェネレーターとして、生徒とともに面白がることがいいですよ、と話してくださりました。
探究発表会を聴いて生徒に訊きたくなるのは、「この探究をこれからも続けたいですか?」という問いです。中には、将来の生き方に繋がるような発表もありますが、多くは「これで完結です」と聞こえる発表が多いように感じていました。未来の社会を良くしていきたいのであれば、「ワクワク・ドキドキ」感を持ち続けながら、探究が自発的に続けられていくものでありますように、と思います。
先生も一緒になって、「ワクワク・ドキドキ」を面白がる、そんな探究活動ができればいいですね。
市川先生、兵庫県総合学科高校の先生方、有難うございました。