本日、10時から本校体育館にて、第77回卒業証書授与式を挙行しました。多数のご来賓や保護者の方のご列席を賜り有難うございました。総合学科27期生230名ならびに共生推進教室3期生3名は本日をもって本校での学びを修了し、担任の先生から、総合学科の生徒には卒業証書が手交され、共生推進教室の生徒には本校での修了証明書が手交され、3月6日に挙行されるなにわ高等支援学校の卒業式で卒業証書が授与されます。皆さんおめでとうございます。本当によく頑張りました。保護者の皆さまにおかれては、感慨も一入のことと存じます。今も受験勉強真っ只中の生徒もいますが、今日はお子様と一緒に喜びを分かち合ってください。
9時55分、吹奏楽部の生演奏のメロディと拍手が響く中、担任の先生を先頭に生徒たちが入場してきました。
全員着席したところで、教頭先生から開式の辞があり、国歌と校歌を斉唱しました。校歌の伴奏は2組石立さんです。そして、1組1番の生徒から順に一人ひとり担任の先生が呼名して、最後に代表生徒が壇上で卒業証書を受け取りました。演台を挟んで対面したときは、どの生徒も凜としたとてもいい顔をしていました。
全ての代表生徒に卒業証書を渡し、続いて式辞を述べました。式辞は、巣立ち行く生徒達に、一番伝えたいことは何かなぁと考えて出てきた言葉を、そのまま書き留めました。一昨日のことです。卒業式と入学式の式辞は、万が一、当日校長が来られなくなったときに、教頭先生が代読できるようにと、できるだけ前日までに仕上げて机上に置いておくようにしています。今年もギリギリになりました。駄文ですが、最後に掲載いたします。
続いて、自彊会会長の奥浦様、PTA会長の村田様からご祝辞をいただきました。有難うございます。その後、教頭先生からご来賓の紹介と祝電の披露がありました。
そして、他の模範となった生徒2名、1組犬童さんと3組髙橋さんにそれぞれ大阪府教育委員会表彰(勤勉・努力の姿勢が他の模範となる生徒)と全国総合学科高等学校長協会表彰(総合学科の精神をよく発揮して勉学に精進した生徒)を行いました。さらに、学年主任の白石先生から3年間を皆勤で通した11名の生徒が紹介されました。皆勤賞は教室で担任の先生から手渡されます。
式は厳かに粛々と進められていきました。続いて、PTA3年学年委員長の高東様から卒業記念品の目録を頂戴いたしまた。有難うございます。
在校生を代表して生徒自治会長の1年2組竹内さんから送辞の言葉があり、続いて、卒業生を代表して、3組田鍬さんと1組佐野さんが答辞を述べました。心に響くことばで綴られたとても素晴らしく感動的な答辞でした。
そして、最後に生徒たちが選んだ卒業の歌、レミオロメンの「3月9日」を皆で歌いました。指揮は4組村田さん、伴奏は6組伊達さんです。
「瞳を閉じればあなたが まぶたの裏にいることで どれほど強くなれたでしょう あなたにとって私もそうでありたい」
ゆったりとした穏やかな調べとなって、心の中でことばが木霊していたことでしょう。仲間とともに過ごした時間は、何よりかけがえのない時間だったでしょう。卒業おめでとうございます。今宮高校で学んでよかったと思える自分がいるのなら、それはとても嬉しいことです。
卒業おめでとう。また、遊びに来てくださいね(^^)/
〈式辞〉
寒い冬がようやく去り、麗らかな春風そよぐ最高の日和となりました。
この佳き日に、大阪府立今宮高等学校第七十七回卒業証書授与式を挙行いたしましたところ、ご多用にもかかわりませず、日頃より本校の教育にご支援・ご協力をいただいております学校運営協議会や地域の皆様、中学校の校長先生方、自彊会の皆様、PTA役員・実行委員の皆様と多くの方々のご臨席を賜りました。高い所からではございますが、厚く御礼申しあげます。
保護者の皆様、本日はまことにおめでとうございます。今、晴れやかに巣立ちゆくお子様たちの姿を目のあたりにされ、感慨も一入のことと存じます。これまでの限りない愛情とご苦労に対しまして深く敬意を表し、今日の日を迎えられましたことを、心よりお喜び申しあげます。また、この間、本校の教育に寄せられましたご理解、ご協力、ご支援に対しまして、深く感謝申しあげます。本当に有難うございました。
総合学科二十七期卒業生・ならびに共生推進教室三期生の皆さん。卒業おめでとうございます。担任の先生から名前を呼ばれ、代表の生徒が卒業の証を受け取りました。高校での学びを終え、卒業した今、どんな気持ちでいますか。まずは、今日、この場に立っている自分を誇りに思ってください。と、ともに保護者の方々をはじめとして、あなたたちを支えてくれた多くの方々への感謝の気持ちを持ってほしいと願います。
そして、これから自分がどう生きるかを考えてください。考えている人はもっともっと考えてください。あなたは、あなたが生きる人間の社会が、どんな社会であってほしいと願いますか。いまの国際社会は、あなたが願う世の中へと向かっていますか。そこにあなたがどう関わっていくのですか。
これからが人生の本番です。やっとスタートラインに立ったと言ってもいいでしょう。
だから、昨日までは、悩んで迷ってもよかった。また、人の目を気にしたり、人と比べたり、ときには、拗ねたり、僻んだり、自棄になったり、あるいは、自惚れて粋がったり、そんなことがあってもよかったでしょう。でも、スタートラインに立った今は違います。これからの皆さんの生きる時間は、だれかの役に立つ時間でもあるのです。本校を卒業して仕事に就く人も、大学や専門学校で勉強する人も、だれかの役に立つために、そして、未来の世界が、あなたが願う世界に少しでも近づくために、あなたの時間はあるのです。そのことを強く意識してください。
もう一度聞きます。あなたは、あなたが生きるこの世が、どんな世の中であってほしいと願いますか。いま、世の中はあなたが願う世の中に向かっていますか。国も民族も文化も言葉も異なる世界中の人々の幸福な社会を築くことは本当にできるのでしょうか。SDGSを掲げて取り組む私達が、そのゴールの先にあるべき実像が、あなたには見えていますか。
残炎ですが私には全く見えません。だから、これからも今の自分にできることを精一杯にしていきたい。今宮高校で学んでよかったと生徒達が、通わせてよかったと保護者の皆様が、ここに今宮高校があって良かったと地域の方々が、今宮で働けてよかったと先生方が、もちろん私自身の家族に対しても、自分と関わる人が幸せに生きることに、ほんの少しでも役に立てるなら、それはとても嬉しいことと、これからも努めたいと思います。
でも、私にはそれほど時間がありません。あなたがたは、私が決して触ることのできない半世紀も先を生きる人です。だから、未来を生きる皆さんにこの思いを託したいのです。
実現は本当に難しいと思います。でも、あなたが願う世の中になるように、あきらめずに前を向いて元気に生き続け、あなたの周りの人を幸せに、笑顔にしてほしいのです。自分の周りの人を笑顔にする程度で、世界中の人が幸せに生きる社会ができるなど、何を言ってるの?と笑われそうですが、単純に考えれば実は不可能じゃないことが、簡単な計算で証明できます。
今、私が3年掛けて6人を笑顔にする、これならできそうですか。おこがましいかもしれませんが、できるとしましょう。すると、その6人が3年掛けてそれぞれ別の6人を笑顔にする。これを繰り返すとどうなりますか。3年で6人、6年で36人、9年で216人、12年で1296人、うーん、まだまだ。じゃあ、39年後は...、130億人になりますよ。世界中が笑顔で溢れるじゃないですか。
卒業生の皆さん、自分の好きなことや得意なことは自分自身の寳です。これからもいっぱい勉強して好きなことや得意なことをグーンと伸ばしてください。それは、他の人にはできないあなただけにできる「人々の役に立つこと」です。それを強みにしてたくさんの人を幸せにしてください。今宮総合学科の先輩には、そんな人がたくさんいます。創立118年の伝統校で、総合学科としてもリーダーとして先頭を進んで30年めを迎え、さらには、言葉のとおり輝かしいソレイユがある今宮高校で学んだ皆さんは、否応なく次の時代を創るリーダーになる人です。今宮高校で学んだということは、そういうことです。
本校の伝統と歴史は、「誠実剛毅」「和親協同」の校訓に凝縮されています。将来、人生の岐路に立った時、この言葉が持つ意味を思い出してください。「誠実剛毅」「和親協同」の言葉を裏切らなければ、きっと大丈夫です。皆さんに託しました。どうか皆が幸せに生きる社会の創り手として活躍してください。よろしくお願いします。
今宮高校七十七期総合学科二十七期、ならびに共生推進教室三期卒業生の皆さんが、やさしさと思いやりに満ちた、心豊かな人生を歩まれることを祈念して、式辞とします。
令和七年二月二十八日 大阪府立今宮高等学校 校長 中須賀 久尚