苦しんでいる人がいる
辛そうにしている人がいる
側にいて 私は 何ができるのだろう
親しい友人であっても
たとえ家族であっても
人は人 私は私
きっと その苦しみや辛さを
本当にはわからない
だけど 側にいて
そっと寄り添うことは できるかもしれない
これまで、たくさんの生徒や保護者、先生や地域の方々と関わってきた中で、そう思うことが度々ありました。何もできないけど、何の役にも立てないけど、側にいて、感じて、励まそうとしたり、笑かそうとしたり、ただただ側にいたり...。
人の思いを本当に理解することはできないけど、思いに寄り添うことはできるかもしれない。正しいかどうかは分からないけど、側にいよう。そして、少しでも心の内側を話してくれたら、ただ嬉しい。その人の思いはわからないけど、感じることはできる。
2021年10月24日に96歳で亡くなられた元広島県原爆被害者団体協議会理事長の坪井直さんとは、生前懇意にさせていただいていました。坪井さんは、広島工専への通学途中、爆心地から僅か1.5kmの地点で被爆し、奇跡的に生き残り、酷い後遺症に苦しみながらも強く生き長らえ、自ら「語りべ」として、原爆の凄惨さを伝え続けられた方です。
坪井さんが、「本当に伝えたいことは、横に置いといて、3番目か4番目に辛いことを話しているんです」と仰っていたことを思い出します。
2011年3月11日午後2時46分、東日本大震災から14年が経ちました。今夕の朝日新聞の一面に掲載されていた、宮城県石巻市職員で学芸員の高橋広子さんの「生きてください」のことばに、強く心を揺さぶられました。両手で数えるほどの身内を亡くし、生きてしまったことを悔やみ続けている中で、「苦しくても傷ついても希望が愛があると信じて生きてください」と仰る高橋さんのことばに、寄り添うことすらできないのでは、と思いました。
明日は令和7年度入学者選抜学力検査が行われます。受験会場の整備や点検を皆で行い、最後に教頭先生と一緒に鍵を閉め、学校を後にしました。
次代を生きる受験生の皆さんの未来が少しでも明るくなるように、皆さん自身が、これから出会うたくさんの人の思いに寄り添い、自ら次代の創りてとなって、人生を存分に謳歌して欲しいと願っています。
3月11日、今日はいろいろな事を思う一日になりました。