今週は、晴れたり雨が降ったりと変わりやすい天候でした。暦の上では穀雨を迎えています。この頃の雨は百穀を潤すと言われるそうで、原っぱはみるみるうちに緑豊かになっていきます。
そういえば、子どもの頃はそこら中にあった原っぱを今は見かけなくなりました。田んぼでもなく、畑でもなく、公園でもなく、もちろん誰かの所有地ではあったのでしょうが、入ってもだれに叱られることなく、私達は勝手に「空き地」と呼んでいました。夏休みには、いろいろな種類のバッタやコオロギ、カマキリがたくさんいて、当時の私達には宝の山のような所でした。残念ながら、学校周辺にはそんな原っぱを見かけることはありません。トンボもほとんど見ないので、近くに池もないようです。私達が暮らす町にいる虫も、驚くほど少なくなったように感じます。
春分を過ぎた頃から、中庭は、朝に陽が射すようになりました。それから1か月、穀雨のころを迎え、今はちょっとした原っぱになっています。野草の種類も少なく虫もほとんど見かけませんが、腰を下ろし、レンガで仕切られたほんの1アールほどの地面をじっと眺めていると、子どもの頃、通った原っぱの風景を思い出し、ちょっと嬉しくなりました。
桜が終わり、たくさん咲いていたタンポポが一斉に綿毛になって、風に乗って飛び立とうとしています。ここでは在来種がまだまだ頑張っています。
一様に「雑草」と呼ばれる野草のいろいろな花が見られるのもこの時季です。