今年も猛暑の夏土用になりました。国内最高気温は兵庫県丹波で41.2℃と昨夏の記録を更新し、大阪でも猛暑日&熱帯夜の毎日です。この頃の晴天は「土用照り」といって、米作りには豊作をもたらす日照りとして、本来歓迎されるものですが、今夏は記録的な少雨で葉が茶色に変色するなど深刻な被害が生じています。 昨年に続き、今年も豊作は期待できないようです。常に自然と向き合い、米作りを営んでられる方々に心より敬意を表しつつ、この日照り続きに心中をお察しいたします。ザーッと夕立が降ってほしいものです。
さて、報告が遅くなりましたが、先週火曜日29日の午後から、現代文の学校設定科目「私達が立っている場所」特別授業が行われました。担当の小山秀樹先生は、昨年度「私達が立っている場所」25周年を記念して「私達まつり」と銘打った学びと研究の集いを催されました。今年度は非常勤講師として、この授業を担当し、「立っている場所」26年目を迎えています。
小山先生は、桃山学院大学人間教育学部でも講師として教えられていて、今日は、人間教育学科小学校教育課程国語教育コース2回生の6名をお呼びして、「私達が立っている場所」履修生徒に授業者として関わり、ともに学ぶ「特別授業」が行われました。夏休み中ということもあって、参加は任意でしたが、ほとんどの生徒が出席していました。また、公開授業として案内していましたので、他の高校や大学の先生、保護者も来られていました。
教材は、今宮高校でも桃山学院大学でも学習した丸山 眞男 氏の「である」ことと「する」ことです。大学生から「本来『する』べきところに『である』が居座っている」例を挙げて、「である」を「する」に変えていくにはどうすればよいか、皆で考えました。
次に「マイケル・サンデル先生の白熱授業」について、高校と大学でそれぞれ学んだ、「正義の3つの考え方」を念頭に、1つの事例について是か非かを考え、意見を出し合うことをしました。
〈「正義」の3つの考え方〉
・最大多数の最大幸福(ベンサム)
・人間の尊厳に価値を置くこと(カント)
・美徳と共通善を育むこと(アリストテレス)
授業が終わり、続いて希望者が残って座談会が行われました。授業の振り返りを行いながら、「私達が立っている場所」がめざす学びの達成に向けて、大学の先生も交えて白熱した座談会になりました。
本日参加した本校の生徒達が、高校で学んだことを、同じ教材をテーマに、大学でさらに学びを深めていくイメージを持つことができたのであれば、とても有意義であったと思います。
小説であっても、評論であっても、読み手によって読み方が異なるものです。とても興味深い特別授業を有難うございました。