9 バランスをとるということ

急に暑くなってきました。この週末は5月としては記録的な暑さになるかもしれない、と言われています。熱中症等、気をつけるべき時期になってきました。少しでものどが乾いたら、適切に水分補給を意識することが必要です。

さて、このブログの7回目の時に「自分を調整する力」について書きました。自分の内面をうまく調整するのも要は、自分の気持ちの中にある様々な要素のバランスをとるということです。それぞれの要素の強弱ももちろん大切ですが、外に発揮されるときにはバランスをとっている結果が出るからです。

いやだなという気持ちとまあいいかという気持ちがあって、それぞれそれほど強くはないとしても、いやだと思う気持ちのほうが少しでも上回ると顔の表情に出て、相手を不愉快にしてしまったりします。

物事のバランスをとるためには、それぞれの要素のことをよく知っている必要があります。味の調整と同じですね。調味料などの性質を知らないで、味付けをするとしょっぱくなりすぎたり、甘くなりすぎたりします。生きていくうえで大切な要素もそれと同じで、それぞれのことを知り、考え、経験を重ねることで、うまくバランスが取れるようになるのだと思います。

「欲張らない」「ルールを守る」「我慢する」「努力する」「落ち着く」「よく考える」というようなことは、一つ一つが生活していくうえで非常に大切な教え(徳目)でしょう。しかし、それぞれの力がバラバラで強いだけでは、真価を発揮できないのです。我慢してルールを守っても落ち着きがないために失敗することはないでしょうか。よく考えて努力しても我慢できなくて結果としてダメになることもあります。我慢する力ばかりが強すぎるために、限度をこえて自分を抑え込んでしまう人もいます。「欲張らずにルールを守って、我慢しながら努力して、落ち着いてよく考える」というふうに、バランスをとりながら行動できれば、たいていの場合はうまく対処できるのだと思います。(世界中にはいろいろな道徳的な教えがありますが、ここで述べた六つの要素というのはある宗教上の偉人の唱えたものです。)

力のバランスで言えば、他にも知的な力と情的な力、精神力と身体力のバランスもよく話題になりますね。では、そういうバランスをとる力自体はどういうふうに身に付ければいいのでしょうか。一つは我田引水になりますが、学校教育のなかで身に付けます。教科の勉強はもちろん、HRや行事、部活など、学校での活動はあらゆる要素でできていますから、それをこなしていくことで、生きていく力をバランスよく育むことができるようになっているのです。

では、就学前や卒業後はチャンスがないのかというとそうではありません。それぞれの要素を知り、バランスを意識して生活していくことで身に付けることができるのです。幼い子どもの場合は周りの大人がそれを教えますし、大人の場合は人生経験を生かして生きていく力を養い続けます。よく言われる「生涯教育」では、そういうことが重要になると私は思います。

様々な力を身に付けることが大切だけれども、その時にバランスを意識することができること、堺上高校の生徒にはそういうことも身に付けていってほしいと思います。

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