5月15日(金) iPadがやってきた

 狭山高校は、アップル社からiPad Airを3か月間無償貸与されることになりました。とにかく使ってみなくてはなりません。教員の初心者向け講習会を開いたところ、約40名の教諭が集まってくれました。その中でのタブレット端末及びスマートフォン保有率の低さに講師は驚いていましたが、だからこそ始めたいのです。写真を撮って加工したり、メモ機能で意見を述べ合ったり、アプリを自由に使ってみたりと、触るのが初めての教諭にとっては、未知との遭遇にワクワクしたと思います。

 本校では、教員たちが異口同音に求める「生徒たちの主体的な学び」を誘発させるため、タブレット端末の導入を考えています。昨年10月末の職員会議で次のような話をしました。

 「20Cの成長社会から21Cの成熟社会への変遷に、教育そのものも変わらなくてはならないのではないでしょうか。1対40の教え込みの教育が明治以来長年続き、今大きな転換点を迎えていると思います。20C成長社会では、高度成長に追従するために、みんな一緒に画一的にマス教育を受け、正解主義から『正解』を求めるためにコンピュータのような『情報処理能力』、スピードを上げることを要求されてきました。しかし、21Cに入り成長が鈍化し成熟社会に入ると、それぞれ一人一人の多様性が認められるようになり、正解ではなく『納得解』が求められるようになり、どんどん進化できる『情報編集力』が必要とされるようになりました。これを修正主義と呼ぶならば、教育の仕方も変わらざるを得ません。ブレイン・ストーミングをしたり、他者とつながりながらアイデアを生み出していく力が必要となります。だからこそ、教員は教壇から一方的に正解を教え込むだけでなく、生徒の情報編集力、他者とのコミュニケーション力、他者を納得させるプレゼンテーション能力等を養っていかないと、生きていけなくなる時代なのです。」

 

 そして、今年の1月には、タブレット端末導入の先進校である千葉県立袖ケ浦高校に教員2名を派遣しました。校内で伝達研修も実施しました。その後何回もこの話をしてきましたが、モノが来ないと実感はわきませんよね。そして、iPad80台が狭山高校にやってきました。最新型のAirです。次の3つの柱でiPadを導入したいと考えています。

① 基礎学力の定着と進路実現までの学力向上支援

② 正解のない課題に対しても、自ら考え、判断し、他の人にも理解してもらえる力の育成

③ キャリア教育の観点から、自分の将来を考え、調べ、発表し、進路意識を高める効果

 今年の学校説明会では、この端末を用いてプレゼンし、また授業を見てもらい、保護者や中学生にも有効性を確認してもらいたいと思っています。そして来年度は、生徒たちがタブレット端末を持って通学してくる姿を想像するのは、飛躍しすぎでしょうか?