卒業生の皆さん、ついに槻の木高校を後にする日が来ました。この槻の木高校での3年間はどうだったでしょうか。自身の青春の一ページとして高校生活の足跡をしっかりと刻むことはできたでしょうか。卒業を迎えた今、仲間と共に過ごした日々を振り返って、多くの出来事や思い出を綴りながら、成長の記録としての自分だけのストーリー「自分史」を語ることができるでしょうか。
昨日、皆さんの卒業アルバムを手に取り、ページを開きました。
2023年から2025年の国内外の出来事が整理された「NEWS TOPICS」の、次のような記事が視界に飛び込んできました。
皆さんが入学してからのこの3年間、世界は大きな変化に揺れ動きました。
令和5年(2023年)には、WHOが新型コロナのパンデミック終結を宣言し、社会が新たな歩みを始める一方で、生成AIの急速な普及や国際情勢の緊張など、未来への課題も浮き彫りになりました。
令和6年(2024年)には、能登半島地震という大きな災害に直面し、人々が互いに支え合う姿が見られました。また、日本の月面着陸技術の成功や文化作品の世界的評価など、希望を与える出来事もありました。
令和7年(2025年)には、大阪・関西万博の開幕で未来への期待が高まる一方、国際社会では政治的変動や武力衝突が続き、世界が不確実性を抱えていることを改めて感じさせる年となりました。
こうして振り返ると、大きな出来事や進歩だけでなく、私たちが向き合うべき課題が多く記されている3年間でした。皆さんはまさにその只中で学び、考え、成長してきたということです。
私と皆さんとはわずか1年の学校生活を共にしただけですが、5月下旬に開催した体育大会で、応援パフォーマンスをはじめ様々な競技で、最高学年として頑張る頼もしい姿を後輩たちに示した皆さんのことを、今もはっきりと覚えています。学年を超えて一体となり、互いが固く結びついているという手応えを感じ取っていたようにうかがえました。仲間からバトンを受け取り、しっかりと握りしめながら力の限り走って、次へとバトンを繋いでゴールへと結んでいく、必死になって一つのことに力を注ぐ皆さんの姿というのは、ほんとうに「美しく」て「尊い」ということを改めて確認した一日でした。まさに英姿そのものでした。
学校行事や部活動で培った協調性、連帯感、持久力、忍耐力、向上心と研究心、チャレンジ精神をもって、自分自身をもう一つ高いステージへと押し上げたということです。一つの目標に向かって、昨日までの自分を乗り超えて今日の自分をつくり、今日の自分をステップに明日へと挑戦する皆さんのまっすぐな姿勢に、熱いもの、清々しさや爽やかさをも感じます。常に高みをめざして突き進む皆さんを心から誇らしく思います。
百年、千年と時を重ねて大樹となる木々も、はじまりはひとつの小さな芽生えにすぎません。同じように、槻の木高校で学んだ皆さんも、本校で育んだ「協働の精神」、探究的な学びと国際交流を通して鍛えた「自ら問いに向かう姿勢」と「新たな可能性を切り開く力」を糧として、国内外のあらゆる場で大きく成長し、社会に貢献してくれることを心から願っています。
そして、何よりも、この生きづらさを抱える時代にあって、「人としていかに生きるべきか」を自らに問い続け、他者への敬意と感謝を真っ直ぐに表せる「心の厚み」を備えた大人へと成長してほしいと願います。
新たなステージへと邁進する皆さんの卒業にあたり、ドイツの哲学者ニーチェの次の言葉を贈ります。
「世界には、君以外には誰も歩むことのできない唯一の道がある。その道はどこに行き着くのか、と問うてはならない。ひたすら進め。」
新しい道には不安がつきものですが、それは皆さんが新しい世界へ挑戦している証なのですから、他人と比較して一喜一憂せず、自身の信じる道をただひたすらに自分らしく生きねばならないのだということでしょう。
最後に、保護者の皆さま、ご臨席を賜りましてありがとうございます。本校を巣立って行った多くの卒業生たちがその名を誇りに思ってくれるよう、これからもますます進化・発展し続ける槻の木高校でありたいと考えています。これまでの本校の教育活動への多大なるご協力とご支援に感謝申し上げます。
第21期生の皆さんの今後の健勝と活躍を祈ります。
