教諭からの寄稿

Contributions from teachers

27期生の思い出

27期学年主任 野中 博志

 創立30周年、おめでとうございます。心からお祝い申し上げます。
 27期生は本校にとって多くの新しいことにチャレンジをした学年でもありました。先ず教育課程において普通科総合選択制の5エリア(人文科学・理数科学・国際文化・人間環境・自己表現)から6エリア(人文発展・人文国際・人文総合・理数科学・看護医療・保育表現)へと改編があり、進路実現に向け、より具体的な科目選択が可能となりました。新設された人文発展エリアは文系国公立大学を目指すコースです。人文国際エリアは難関私大や中堅私大、そして外国語大学を目指す文系私立大学進学コースとして生まれ変わりました。看護医療エリアは看護師や理学療法士等の医療系進学志望者のコースとして、保育表現エリアは保育系や幼児教育系、そして芸術系の大学・短大・専門学校を目指すコースとしてスタートしました。理系大学進学志望者は理数科学エリアへ、公務員志望者や上記に当てはまらない進路志望者向けに人文総合エリアを位置づけました。このように27期生では進路志望別にはっきりとエリア分類及びクラス編成され、カリキュラムも大きく変わったのが大きな特徴でありました。

 さて、進路実現のための方向性として、先ず英語力を高めることと関西中堅大学合格可能レベルの学力を習得させることを学年目標に設定しました。具体的には英検2級と準2級の取得、和歌山大学や近畿大学、または近畿大学相当レベルの大学、そして看護・医療系大学及び専門学校を目指すこととしました。

次に英語圏への海外修学旅行(マレーシア・クアラルンプール)を計画しました。この海外修学旅行をきっかけに英語学習への意識を高めることと現代のグローバル社会に対応すべく見聞を広めることを目的としました。また、現地の公共鉄道を利用したクアラルンプール市内の班別自主研修を実施するため、その練習として公共交通機関を利用した国内校外学習を企画をしました。1年次は奈良公園へ現地集合、ラリーポイント形式での班別自主研修。2年次は京都の公共バスを利用した世界遺産を巡る同形式の班別自主研修。これらの練習を積み重ねて、知らない場所を調べて計画性を持って自主的に行動する力を養いました。ちなみに3年次は神戸市内を山手コースと海手コースにそれぞれチェックポイントを設けたラリーポイント形式の班別自主研修を実施しまた。これら修学旅行を含む校外学習では、3年次の大学入試や就職試験などで実際に受験会場に行くときに迷わず自信を持って行けるようにとのねらいを持たせた企画でもありました。そして、それぞれの企画では行動計画表を作成する力も養成しました。インターネットや本を活用した調べ学習、限られた時間内にチェックポイントを回る等、制限をつけたラリーポイント制名所巡り計画の作成などです。さらにパワーポイントを使ったクラス内班別プレゼンや学年集会形式でのクラス代表班によるプレゼンを実施し、将来必要不可欠となる学生時のプレゼンや就職先でのプレゼンに対応できる社会人として必要な力の基礎的な部分を身につける学習をしました。
 残念ながらマレーシア修学旅行においては、すべての準備が整った出発一ヶ月前に現地予定訪問先で暴力団の抗争事件が勃発したため、安全面での配慮から中止となりました。
急遽、国内の沖縄修学旅行へと変更したのですが、生徒達は急な行き先変更にも関わらず、これまでの取り組みが事前学習に力を注いできた修学旅行であったため、特に混乱もなくスムーズに移行することができましたのは、学習効果が多大であったものとして感じております。

 そして、本校初の試みとして合唱コンクールを実施しました。ここでは限られた時間と多くの制約の中で、クラス全員で力を合わせて物事に取り組む集団の力を身につけさせることを目標としました。結果としては全身に感動を覚えるほどの大成功に終わりました。
 卒業式においても、別れの歌「卒業(川嶋あい)」を合唱形式で歌い締めくくりました。
 『夢をかたちに』の学校目標どおり、27期生の生徒諸君はそれぞれの第一進路目標にほとんどの生徒が向かうことができました。ちなみに近畿大学への合格者数が33名(昨年度12名)、摂南大学への合格者数が38名(昨年度5名)へと大幅に伸ばす結果となりました。27期生では国公立大学志望者が元々4名しかいませんでしたが、3名が受験し、2名が第一志望校に進学しました。(和歌山大学1名、大阪教育大学1名)
 以上のように様々な取り組みを生徒達と共に行い、泣き笑いの充実した3年間を過ごした学年であったことをここに記します。