一 (  ) 懸  命

【一生懸命】この言葉を使うとき、自分の心持はどのようなものかを少し考えてみました。過去のことに言及するとき、どちらかというと上手くいかなかった文脈で使うことが多い気がします。一方、未来について語るときには自分の意欲の高さを示すために用いているように思います。

明鏡国語辞典には「全力を尽くして物事をするさま」とあり、元は【一所懸命】

「主君からもらった一か所の領地を生活の基盤としてそこに命を懸ける」から出た言葉だという説明がなされています。

緊急事態宣言の延長に伴い、6月20日までの行事は中止、もしくは延期という選択を迫られることになりました。応援のパフォーマンスだけを取り出して行う。あるいは緊急事態宣言明けすぐにということも考えられた中で、安全と万全な準備という観点から9月に実施するという運びになりました。3年生の企画メンバーや衣装制作の係が様々な形で取り組みを進める中での決断、一人ひとりの気持ちに思いを馳せると胸が締め付けられる思いでした。そんな中で出会った「一笑懸命」の文字。今年の体育祭のスローガンです。生徒会執行部のメンバーが前向きに、ひたむきに笑顔で描いている姿に心がほっこりしました。      

  

「不運」「不幸」「不安」「不満」。うまくいかない状況で「ふっ」と(を)笑い飛ばすことによって「運」「幸」「安」「満」が心の中に残り、「幸運」「幸福」「安心」「満足」を呼び込むことができるようになる。そう呼びかけてくれるスローガンが「一笑懸命」。心の中にそっと抱きながら、今、目の前のできることに「一所懸命」になろう。その思いを強くしています。3年生の皆さん、9月の時間を体育祭に割くことができるよう、この6月の時期に瞬くような時間さえも全力を尽くして学びの時間に充ててください。「一瞬懸命」継続!