以前、ブログ内で糸偏について書きました。言偏の漢字を例にとって、諦める→締める 詰まる→結ぶ などを紹介しました。他にも 読む→続く 諫める→練る 等々。 言葉にしたら少しマイナスになってしまう(かもしれない)ニュアンスが前向きに行う何かを表す言葉に変わっていく様子を感じてもらえるでしょうか。日本語母語の人よりも他言語話者のほうが「漢字」の魅力に引き込まれるようです。オーストラリアの小学校での日本語の最後の授業では、日本語の漢字で自分の名前を付けてほしいというリクエストに応えました。音をうまくあわせて漢字の意味を伝える。そしてへんとつくりの意味を添えると何度も自分の名前を書きながら大喜びしてくれました。いい思い出の一つとなっています。
では、英語には日本語のへんとつくりのようなものはないのでしょうか。いいえ、あります。それぞれの地域から英語に入ってきた接頭辞と語根と接尾語が歴史を携えてきちっと役割を果たしているのです。ちょっと見てみましょう。
con(m)「共に、まとめて」, de「下」, ex「外」, in(m)「内」, sup「下」
それぞれに-press「押す」と組み合わせると、
compress, depress, express, impress, suppress
「圧縮する」「意気消沈する」「表現する」「印象付ける」「抑圧する」
-clude「閉じる」がcon, in, ex と結びつくと
conclude, include, exclude
「結論付ける」 「含む」 「排除する」
re, pro,preと以下の語根が結びつくと
re「戻す、繰り返し、再び」 pro, pre 「前」
cede「行く」 recede「後退する」 proceed「進行する」precede「先行する」
duce「導く」 reduce「減少する」 produce「生産する」
gress「歩く」 regress「後退する」 progress「進歩」
serve「保つ」 reserve「保存する」 preserve「保存する」
spect「見る」 respect「尊敬する」 prospect「展望」
様々な地域から入ってきているだけに理解し、覚えるのは難しいと感じる人がいるかもしれませんが、漢字同様、文字や言葉は何かを伝えるため多くの時代を越えて、今も想いを伝えてくれています。意をくみ取ろうとしたら、文字から歩み寄ってきてくれるなんていう経験を積み重ねてください。感覚が磨かれて、見たらすぐにわかるというまで英単語を読み続けてください。夏休みもあと少し。日英両方の詞探しの旅をしてみてください。
Have a nice trip to find something new in letters!