「 ん? 」

   しりとりが続いている。何度も同じしりとりに陥っている。最後はいつも「ん」で終わり、また一からスタートである。今年4月から、もっと広く見れば一昨年度末からずっとその繰り返しだ。

   しりとりの様子はこうである。何かをやりたいと考えたときにスタートする。初めの言葉は「願い」だ。この願いを成就するために次に引き継いでくれる言葉は「祈り」。「願い」に向かってただひたすら「祈り」をささげる。そして次に続く言葉が「理想」理想に向かって「願」をかけ、ただひたすら「祈る」。行事も、クラブ活動も、もちろん学業もまっすぐに上っていくことができればいいのだが、どこかで振出しに戻る。そんなことがずっと繰り返されている。このずっと同じことを繰り返している感は、上り続けているにもかかわらず景色が一向に変わらない螺旋階段を上る様子と似ている。私のしりとりはまさにその状態だ。  →   「願い」「祈り」「理想への螺旋階段」

   6月に十分な時間が取れないという理由で、体育祭を9月に延期を決定した。活動できる生徒の数を考えたときに難しいと判断したやむを得ない選択だった。「ん?」文化祭も、まさに十分な時間が取れない中での準備となっている。「ん?」何かが違う。繰り返しではない。この短い準備期間の中で、芥川高校にいるみんなは、心の中でのいろんなことを抱えているだろうけれど、自分たちの理想に向かって「何か」をやり遂げようとしている。感染症対策をきちっとし、与えられた時間の中で成し遂げようとしている。「理想への螺旋階段」を昇っている。「ん」がついてしりとりには敗れても、又、そこからできる何かを探して「願い」「祈り」階段を昇り続けている。螺旋階段のつらいところは進んでも、進んでも周りの景色がずっと同じであること。でもひたすら進んで、ふと下を見たら、最初スタートしたところより、ずっと高いところにいることに気づくこと、これが螺旋階段を昇る価値のあるものにする。ぜひ、みんな自分たちが進歩、成長していることに気づいてほしい。4月から9月までのこの5か月で、運命を受け入れ、その中でできることが増えていることに気づいてほしい。みんなで螺旋階段を昇ろう。どんどん昇ろう!みんながめざす芥川高校の空は広く美しい!