シリーズ授業㊿~3年「数学Ⅲ」・微分法の演習

 今日は1日中出張でした。今日から1,2年生も期末考査1週間前になり、部活動も考査最終日まで停止し、勉強に一点集中することになります。生徒の皆さん、学んだことを習熟できるよう励んでくださいね。

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 昨日11/25の3時間めに3年「数学Ⅲ」の授業を見学しました。このクラスは理系大学進学を志す22人、担当は久米先生、微分法の問題演習を行っていました。

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【問い】y=x-(sinx+√3cosx)の区間-π ≦ x ≦ π における最大値と最小値とそれらを与えるxの値を求めよ。(学習院大・理)

【問い】aを実数とする。関数f(x)=ax+cosx+1/2・sin2x が極値をもたないように、a の値の範囲を定めよ。(神戸大・理系)

 本時はこの2つの問題を解きました。解き方は微分して増減を調べて、後は三角関数の合成などを使って計算をしっかり行い、というのが定番でしょう。はじめの問いは範囲が限定されているので、グラフもほぼ正確に描くことができるでしょう。生徒たちは互いに教え合いながら頑張って解いていました。

 数学の力は、目の前の問題を定番の解き方でさっさと解いてしまう前に、ちょっと式を眺めてみて、「あっ、そういうことか!」と気づくセンスが求められているように感じることがあります。たとえば、はじめの問いは、微分ができなくても、定義域が限定されているので、y=sinx と y=√3cosx のグラフを重ねて、y=xのグラフから引いたグラフを描くと簡単に答えが得られますし、さらには、y=xのグラフの傾きaを、a=2,3,...と大きくしていくと、どこかで極値がなくなるところがあることに気づき(三角関数のグラフを引こうが足そうが)、2つめの問いはそれを考えさせている問題だと分かります。そもそも三角関数のグラフは極大と極小の繰り返しですが、その変位よりy=axによる変位のほうがはるかに大きくなることに気づいていれば、めざすゴールは明確になりそうです。先生はそのことを意識されて2つの問いを並べられたのだと思います。なぜ、この2つの問いが並んでいるのか、先生の思いに気づけるようになってほしいなと思いました。問題を解いている様子を見て、生徒の皆さんは十分その力を持っているように感じました。Teaching から Coaching へと一歩進んだ学びが成り立っている時間でした。有難うございました。