新年のごあいさつ

 新年おめでとうございます。年末年始はいかがお過ごしでしたでしょうか。昨年は元日に能登半島で大きな地震が発生し、多くの方々の尊いいのちや生活が奪われてしまいました。被災された方々へ改めてお見舞い申しあげますとともに、1日も早い復興と活気ある生活が戻りますことを願っております。

 元旦に自宅近くにある(近くと行っても少しありますが)石川河川敷公園の築山の上から、初日の出を楽しんできました。写真の左に写るふたこぶの山が二上山。432mの雄岳の頂上には大津皇子の墓が祀られています。二上山はおよそ1400万年前に大噴火を起こしたかつての火山。サヌカイトと呼ばれる溶岩は叩くと貝殻状でガラスのように鋭利に割れるので、縄文人が打製石器として利用されていたことが分かっています。また、別の溶岩にはガーネットが多く含まれ、私が高校生の頃までは、この地域でガーネットを取り出して紙やすりを製造していた工場があったのを覚えています。

 1400万年前、この地域に大地の基盤がつくられました。二上山の火山活動はその中心的な1つだと言われています。それから長い年月を経て、活動を終えた二上山は今の姿になりました。

 この地域にはすでに2万年前には縄文人が住み着いていたようです。おそらくその頃から人々の暮らしが続いていたのでしょう。「近つ飛鳥」と呼ばれるこの地域には、たくさんの立派な墳墓や数々の遺跡を見ることができます。

 縄文人も万葉歌人も同じ景色を見ていたのかなぁなどと思いながら、二上山の山際から昇る初日の出を静かに楽しみ、元旦の清爽な空気を満喫することができました。2025年が皆さまにとってよい年になりますことを願っております。今年もどうぞよろしくお願いいたします。