1月11日(土)午後1時から本校新自彊会館にて、「令和6年度 第7回今宮教養講座」が開催されました。
今回は、「第11回今宮能講座ー能『楊貴妃』と『源氏物語』との関係性ー」の表題で、前半は、本校国語科教員で本校の能楽部を立ち上げられた青木徳子先生による講演を、後半は、長年お世話になっている宝生流シテ方能楽師の石黒実都さんによる謡と舞踏の体験指導をしていただきました。
参加者は、自彊会会長の奥浦さんをはじめとする本校卒業生や、卒業生の保護者の方のほか、能講座に毎回参加してくださっている一般の方など、たくさん来ていただきました。また、23期生の能楽部OGの長谷川さんや現役の能楽部員も応援に来てもらいました。有難うございます。
私も男子バスケットボール部の試合が始まるまで参加させていただきました。青木先生のご講演はとても勉強になりました。「楊貴妃」「長恨歌」「源氏物語」のそれぞれが、世界無形文化遺産の『能』――現存するおそらく世界最古の仮面劇――によって繋がり、朗々とゆるりとしたリズムの中で、人の心中の繊細で激しい悲哀が、この上なく見事に表現されていることに気づかされました。
後半は、宝生流シテ方能楽師の石黒実都さんに、謡と舞踏を習いました。
「天にあらば願はくは比翼の鳥とならん 地にあらば願はくは連理の枝とならんと誓ひし事をひそかに伝えよや。」
人は死んでも決して仙界に行くことはできない、仙界にいる楊貴妃はそのことを分かっている、それゆえに楊貴妃の玄宗皇帝への思いは、いかほどのものであったことでしょう。能『楊貴妃』が表現する世界は一分の隙もなく、見事としか言い様がないと、謡を教わりながら深く感銘を受けました。
とても有意義な時間でした。青木先生、石黒先生有難うございました。参加された皆さまも有難うございました。『能』の文化がいつもでも伝えられることを願っています。