春の眩い光が満ちる中、午後2時から第80回入学式を挙行しました。今宮高校80期、総合学科30期生の皆さん、入学おめでとうございます。保護者の皆さまにも心よりお祝い申しあげます。本日たくさんのご来場を賜りました。誠に有難うございます。
登校してくる新入生を迎えようと、12時半から部員たちが正門から続くアプローチに花道をつくりました。吹奏楽部による歓迎の演奏も響いています。
そこへ新入生がやってくると、一斉に部活動勧誘の元気な声がいっぱい重なり、プラカードや部活用具をかざしてアピールするなど、もはやお祭り騒ぎです。今宮名物、伝統の入学式前の歓迎&部活動勧誘花道を今年も行うことができました。コロナ禍による制限がなくなって2年、あの頃に戻ることなくできてよかったです。多くの生徒が何らかの部活動に入って活動しています。新入生も続いてほしいですね。部員の皆さん、お疲れさまでした。大いに盛り上がりました。きっと新入生もたくさんの元気をもらったことでしょう。吹奏楽部もとてもいい演奏をしてくれました。有難うございました。
式は粛々と厳粛に行われました。吹奏楽部の生演奏に合わせて新入生が入場しました。総合学科30期240名と共生推進教室2名の入学を許可し、式辞を述べました。昨日に書いた式辞用紙を持って壇上に上がり、最後まできちんと読めばよいものを、途中から読まずに話しだして、雑な言い回しになってしまいました。
その中で、冊子「風を起こす」の紹介や、間もなく開催される大阪・関西万博の開会式で、吹奏楽部のメンバーが大屋根リングの上で他校の部員や自衛隊員などと一緒にファンファーレを演奏すること、生徒の一人が旗手を務めことも紹介しました。在校生や卒業生で活躍している人がたくさんいることを伝えました。これからの3年間をどう生きるか、可能性は無限大です。
続いて自彊会会長の新居さん、PTA会長の村田さんから祝辞をいただきました。そして、代表生徒による宣誓が行われました。立派な内容で感激しました。
式が終わり、新入生が教室へと退場していきました。保護者の方々には残っていただき、学年主任や各分掌長、後援会等からそれぞれの立場で話していただきました。その後クラスごとに2階の教室に入ってもらい、担任からの挨拶がありました。
すべてが終わり、新入生や保護者の方々で、アプローチはたくさんの人でいっぱいになりました。後援会にも百名を超える方から賛助金をいただいたとお聞きしました。有難うございます。大切なお子様をお預かりして、ますます身の引き締まる思いでいるところです。
明日は始業式、そして生徒自治会による対面式が行われます。
拙文ですが式辞原稿を掲載しておきます。
桜の花が舞い、春の息吹に満ち溢れる今日、大阪府立今宮高等学校第八十回入学式を挙行できますことを心より感謝申しあげます。ただ今、入学を許可しました二百四十二名の新入生の皆さん、入学おめでとうございます。保護者の皆様にも、心よりお祝い申しあげます。また、日頃よりたいへんお世話になっております浪速区長様、大阪市立木津中学校長様、地域の方々、自彊会並びにPTA役員、後援会の皆様には、ご多用のなかご臨席を賜りましたこと、高いところからではございますが厚くお礼申しあげます。
今宮高校は、明治三十九年四月に市内で四番目の旧制中学として設立されました。平成八年に大阪府で初めての総合学科に改編し、令和二年には共生推進教室が設置されるなど、本校は進化し続けています。創立百十九年の輝かしい歴史と伝統を誇り、校訓「誠実剛毅」「和親協同」の教えのもと、卒業生は二万八千人を数え、様々な分野で活躍する多くの著名人を輩出しています。
長年にわたり地域や卒業生など多くの方々に支えられて発展し続けてきた歴史を有し、「磨け知性、輝け個性」をモットーとするユニークで多様な総合学科の学びがあり、そして、共生推進教室を真ん中にしたインクルーシブ教育による心の醸成がなされる。今、本校は、高校生というかけがえのない大切な時間を仲間とともに心豊かに学び過ごす学校としてこの上ない恵まれた環境を備えていると感じています。
新入生の皆さん、ようこそ今宮高校へ。皆さんは今、旧制中学からのゆるぎない伝統、多様な学びで個性をグーンと伸ばす総合学科、そして、ともに心豊かに生きる共生推進教室設置校という、いわば「三種の神器」を手に入れたのです。また、ここは人情味あふれるなにわの真ん中、通天閣に日本一近い今宮高校に通っていました、と生涯胸を張って言える人になったのです。おめでとう。
どうか皆さん、これら今宮高校ならではの特徴を自分のものにしてください。どんな授業をしてくれるのかなぁ、どんな行事があるのかなぁと、待っていては面白くない。自ら学び、自分で考え、行動できる人になってください。それには、まず、自分が置かれたこの環境を丸ごと受け入れる覚悟をもってください。そして今ここで自分にできることを精一杯取り組んでください。
今年は浪速区制百周年、様々なイベントが催されます。浪速区唯一の高校の生徒として、皆さんが積極的に地域に出て、日ごろお世話になっていることへの感謝の気持ちをもって地域の方々と共に汗を流し、存分に活躍してください。まもなく始まる大阪・関西万博の開会式では、大阪をリードする高校の一つとして、先ほど演奏してくれた吹奏楽部の皆さんが大屋根リングの上で演奏し、共生推進教室の生徒が旗手を務めます。
また、海外の姉妹校との交流も再開しています。地域から世界へと、皆さん自身がその気になれば、自分の生きる世界がグーンと広がるのです。どうですか。ワクワクしてきたでしょう。新入生の皆さん、今日からこの今宮高校でいろいろな人とつながり、自分の世界を広げてください。世界の動きに目を向け、未来の社会で自分がたくましく生きる道を見つける三年間にしてほしいと願っています。
さて、いまここに一冊の冊子を持ってきました。タイトルは「風を起こす」―今宮高校総合学科卒業生のストーリーです。本日この後教室で担任の先生から皆さんに配付されます。今宮総合学科が誕生して三十年。たくさんの卒業生が本校での学びを生かして、いろいろな分野で活動し輝いています。それを内外に広く知ってもらいたいと、まず十人の卒業生に協力してもらい、藤川首席が中心になって作成しました。一週間前に完成したばかりです。
ここに登場する十人のことばが証明している通り、皆さんの可能性は無限大です。この十人だけではありませんよ。まだまだいらっしゃるので一年後に第二集を出そうと思っているほどです。ぜひ、保護者の皆様もおうちに帰って一緒にご覧ください。
ここに登場する卒業生には共通していると感じることがあります。それは、「誰でもきそうなことを 誰もできないくらい 全力で頑張る」強さを持っていたことです。だから、自分のしたいことに思い切り打ち込むことができる。そして、誰も見たことがない景色を見に行こうと人生を楽しんでいることです。皆さんもそれができる人になると思っています。だからとても楽しみです。
保護者の皆さま、本日はまことにおめでとうございます。子育ての毎日は、ご苦労の連続であったと思いますが、皆様の温かい愛情のもとで健やかに育まれてきた子どもたちが、今日から高校生としての第一歩を踏み出します。これまで立派に育てられたことに敬意を表しますとともに、大切なお子様をお預かりして、身が引き締まる思いでいます。今、新入生の皆さんにお伝えしましたが、私たち教職員も理想の学校をめざして、新たな風を起こそうとしています。昨年度に引き続き、「風を起こす」をスローガンに掲げ、教職員一同、生徒とともに自他ともに最高と言える学校づくりに邁進したいと考えています。保護者の皆様におかれましても是非私たちと共に「今宮の風を起こす」一員となってくださりますようお願いいたします。
本校の教職員は温かく、そして厳しく、生徒の皆さんの自己実現を全力で支援してまいります。至らぬ点もあるかと存じますが、ご教示いただきながら、是非、本校の教育方針、教育内容にご理解をたまわり、ご支援、ご協力くださりますようお願い申しあげます。また、お子様のことで心配なことがございましたら、遠慮なさらずに何なりと学校にご相談ください。
最後に、新入生の皆さんが「今宮最高!」と心から言える高校生活を送られることを願い式辞といたします。
令和七年 四月七日 大阪府立今宮高等学校 校長 中須賀 久尚