6月5日(木) おもひでぽろぽろ

 今年度の文化行事は観劇でした。劇団わらび座によるミュージカル「おもひでぽろぽろ」です。ストーリーは、都会の仕事と生活に疲れ切った主人公が里山に出かけ、小学生時代の自分と出会い、たくさんの思い出を紐解きながら、自分探しの旅をするという物語です。

 私自身も、全く縁もゆかりもない土地で、自分の子供時代と同時代の写真展を見て、何とも言えない懐かしさがこみ上げてきた経験があります。自然に囲まれた素朴な人々の暮らしの中には、人間を本来の自分に回帰させてくれる何かがあるのでしょうね。

 わらび座と言えば、本拠地は秋田県なのですが、南極探検隊で名を成した白瀬矗も秋田県にかほ市出身です。ちょうど3年前、白瀬日本南極探検隊100周年記念行事の一つとして、わらび座と県民でつくる県民ミュージカル「白瀬中尉物語」の舞台がありました。私は偶然にもそれを見たのですが、公募した県民と劇団員がともに一つの作品づくりに取り組む試みに感動しました。当時私は、自衛官として青森県で勤務していましたが、秋田県に南極観測船つまり砕氷艦「しらせ」を記念行事に合わせて入港させるお手伝いを少しだけしました。そういうこともあり、秋田県に進出していました。その時に出演していた劇団員が今回の講演に4名も含まれていると聞き、縁があったのだと懐かしく思い出した次第です。

 観劇後、狭山高校の演劇部のメンバーは、主人公を演じた若さあふれる女性に様々なアドバイスをいただいたようですが、大きな勇気と頑張る力をもらったのではないかと思います。また、生徒たちは、文化祭に向けて、今回のミュージカルを参考にして、様々な題材に取り組んでくれることだと思います。