11月13日(木) スマホの話

 PTA主催の人権研修会に、NPO法人電子自治体アドバイザークラブの石川先生をお呼びして、「携帯・スマホの『知らなかった』を『聞いたことがある』にする講座」を開きました。本校では、昨年まで携帯・スマホは持ち込み禁止でしたが、今年度から使用時間を制限するのみにとどめています。生徒のほとんどがスマホを保有しているかに見受けられます。

 奈良県で主に活動されている先生は、この2年間でネットモラルの低下が叫ばれており、奈良県ではフィルタリングの義務化を行っているという話をされました。例外は、18歳未満でも就業している者、親が完全にチェックする場合、身障者のみであり、それ以外はすべてフィルタリングの義務を課しているそうです。児童・生徒が様々な犯罪に巻き込まれるケースがありますが、最近は出会い系サイトよりSNS等のコミュニティサイトの方が多いそうです。無料で友達から勧められ始めるのですが、サイトには接触目的の大人がいるということです。

 携帯とスマホの違いですが、スマホは小さなパソコンで、携帯会社の電波以外にwi-fiが使用できること、またGPS機能がついているのでTwitterでつぶやきでもしたら位置が特定されてしまいます。iPhoneにはフィルタリング機能が付いていますが、iPod Touchにはフィルタリング機能がないので、アプリを入れてLiNEを使うと全くの無防備状態となります。

 生徒たちは仲間うちでLiNEを用いて、文字とスタンプでチャットを楽しんでいるわけですが、グループに縛られ自主的に退室できなくなるという弊害や既読スルーや未読無視をすると仲間はずれ、いわばいじめの温床にもなるかもしれません。だから常にLiNEが気になり、手元から離せなくなったり、常に気になり眠れなくなったりします。また、ネット上のオンラインゲーム等では、相手が多国籍であれば、夜通しということになり、睡眠不足にもなります。私が初めて知ったのは「すれ違い通信」という見ず知らずの人とすれ違いざまにデータを交換するというもので、どれだけ個人情報がネット上にあふれているかということです。ネットモラルを守ること、、とりわけ自分たちでルール作りをして、きちんと守ることが大切ですね。特にLiNEにおけるルール作りは大切だと思います。"おやすみ"と誰かが言ったら、そこでやめること。返事ができないこともあることから、既読スルー、未読無視を許すこと。みんなが都合がよい時間に行うこと。リアルで言わないことはトークでも書かないこと。これらが推奨されていました。

 親子の間でも取り決めは必要ですね。①交換条件、取引はダメ、②一貫性のある毅然とした態度で対応、③一喜一憂しない、④一人で判断しない、⑤ネットについて一緒に学ぶ、⑥親からの一人称のメッセージを大切に、⑦親の立場で仲間を作る、⑧家族で同じ対応をする、等を挙げられていました。

 スマホ依存症が高じて、肩こり・めまい・倦怠感等心身に異常をきたし、登校できなくなったらどうなるのでしょう。このような状態に陥っているのは世界でも日本人だけだそうです。若者たちが蝕まれ、日本が滅びるなんて、まっぴら御免ですね。節度のある使い方を指導するのは、家庭のしつけでもあり、保有を許している場合は学校における指導も必要なのだと思います。家庭・学校がタグを組んで、ネットの世界に迷い込んでいる子供たちを見守るとともに、場合によっては手遅れにならないよう連れ戻す必要があると思います。