11月の総括

 11月は、各学年ごとに進路を意識したキャリア教育に取り組みました。

 近い将来、大学入試センター試験が廃止され、大学入学者選抜に新方式が導入されます。このテーマについて、独立行政法人大学入試センター副所長、ベネッセコーポレーション、リクルート進学総研の方々から、お話を伺いました。土曜日の午後には、さまざまなところで講演会が開かれています。表現は異なりますが、異口同音に言われることは、新方式の入試においては「思考力、判断力、表現力」が求められるので、「主体的学習」(アクティブ・ラーニング)が必要とされるというものでした。新たな入試では、おのずと教科を超えた総合型問題が作成され、ペーパーではなくパソコン入力での受験となります。

 一方の大学側は、アドミッション・ポリシーを打ち出すとともに、入試改革を念頭に入れた大学改革を進めており、その中で、文部科学省の多額の予算が一部のスーパーグローバル大学につぎ込まれることになります。事業の企画が選定された大学はその予算を活用し、学生に還元できるプログラムを繰り広げ、大学間の新たな構造ができるかもしれません。グローバル社会で必要な「読む・聞く・書く・話す」という4領域の能力を測るための試験は、英語では資格・検定試験として一般に開発され長年使われているので、それらの結果を活用する大学も出てきます。

 いずれにせよ、現在の小学6年生が大学受験をする2020年までの短期間に、高校も改革を進めないと手遅れになってしまいます。将来職業に就き、社会で生きていくうえで、受けてきた教育の違いで不利にならないようにしなくてはいけない、ということを考えると、眠れなくなります。本校でも授業改革の第2弾を早速推進するとともに、ICTをさらに活用した授業展開と家庭学習を実施することを考えています。

 26日(水)に、第2回学校協議会が行われました。メンバーの一人である経営者協会の理事が言われたのですが、「大学卒業生約55万人、そのうち約7万人が大学院に進み、35万人が就職します。残りの13万人はどうなっているのでしょうね?」この数字はドキッとしますね。非正規雇用、またはそれ以外ということになります。本校生徒が将来しっかり働けるようよく学び、また働きながらも学び続け、よりよく生きていけるようにしたいものです。

 ところで、11月も7校の中学校訪問をしましたが、泉ヶ丘でバスを待っていると、「どこに行くの?」とご婦人に声をかけられました。「〇〇中学校に行くところです。」というと、「先生でしょう?見るからに先生に見える。」と言われ、フレンドリーに話し始めました。とてもお元気な70代、こんな出会いもあるのですね。お互いにパワーを交換した感じです。