12月6日(土) 私の人権週間

 今週は、人権に関する学びの多い週間でした。5日(金)の午前中は、府立人研の校長部会全体研修会で、日高庸晴氏(宝塚大学看護学部教授)による「性的マイノリティーの生徒が安心して学校生活を送るために」という講話を聴きました。同じ性的マイノリティーでも同性愛者のような性的指向と性同一性障害とは全く異なることを認識する必要があります。どちらも差別から人権問題となり、命にかかわる問題にまで発展している実態がよくわかりました。本人が選んだわけではないのですよね。近々NHKのクローズアップ現代で取り上げられるようで、カメラが入っていました。

 5日(金)の午後は、PTA協議会の臨時総会とともに人権啓発研修があり、衝撃的な講話を聴きました。覚せい剤等ドラッグの更生施設であるびわこダルク施設長の猪瀬建夫氏の実体験に基づく生々しい講話でした。「人間やめますか?ドラッグやめますか?」という世界を生きてきて、今も「明日が来れば、今日一日」という生き方を続けておられ、「一度破壊された脳細胞は戻らないけれど、心があるから人に戻れる」という信念を持って、自分も施設に来る人たちも今日を生きるための修業をしているという本音トークでした。ドラッグが入り込むすきを与えない環境と生き方が必要だと思います。経験者の語りは、説得力がありました。

 6日(土)、7日(日)は、大阪狭山市の人権協会からご案内をいただき、各種イベントが行われていたのですが、6日の午前と夜はPTA活動、7日は1日学校説明会でしたので、6日の午後のわずかな時間に、大阪狭山市の公民館で上映されているドキュメンタリー映画『ある精肉店のはなし』を観に行きました。自分たちの手で育て上げた牛を家族が協力して屠畜し、丁寧に処理して店頭に並べるという大阪府貝塚市にある北出精肉店の、理不尽な差別を受けながらも、まじめな仕事ぶりで牛の命と真正面から向き合ってきた人たちの生き方がよくわかる作品でした。屠畜の様子が最初と最後に2回もあり、このような厳しい仕事をする人たちがいるおかげで、私たちの食があるのだなとつくづく思いました。いかなる仕事も世の中には必要であり、何事にも感謝したいと思います。