こんにちは、生物科の南川です。
5月27日(日)、生物研究部は和歌浦干潟の生物観察と、和歌山県立自然博物館の見学を行いました。
まずは和歌浦干潟。
JR大阪から、電車で約2時間。更に歩くこと15分。
近畿地方最大級の和歌浦干潟(片男波干潟)に到着です。
干潟の面積は、湾の内外を併せて東京ドーム12個分に相当するそうです。
絶滅危惧種のハクセンシオマネキやヘナタリをはじめ、アナジャコや ウミケムシ ウロコムシなど、約20種の生物を観察しました。
(5/29 ウミケムシ→ウロコムシ に修正しました。 平嶋先生、ご指摘ありがとうございます)
また、河口近くの泥質と湾外近くの砂質の違いや、泥中の鉄イオンの変化などについて、実際のフィールドに触れながら学習しました。
午後からは、和歌山県立自然博物館を、同博物館学芸員の平嶋健太郎先生にご案内いただきました。
和歌山県立自然博物館は、今年で36年目を迎える歴史ある博物館です。
海岸線の長い和歌山県らしく、展示の半分以上が水族展示となっています(残りは森林と地質の展示)。
こちらの大水槽は開館当初から展示が続いており、ロウニンアジやクエをはじめ、当時からずっと泳ぎ続けている個体もいるそうです。
(中央の方が平嶋先生です。お顔がはっきりと映っておらず、申し訳ありません)
ここまで長期にわたって飼育を行っているのは、京大の白浜水族館(年末に生物研修で訪問)や碧南海浜水族館など、国内でも数少ないそうです。
様々な水生生物の生態や特徴、食べ方(!)など、野生での生態や地理的、遺伝的な系統もからめて、楽しく解説して下さいました。
なかでも特に印象に残ったのは...
ニホンヒキガエル...ですが、みんなある一点を見つめています。
実は、隣の水槽のアカハライモリの動きに惹かれて(エサだと思って)ガラス越しに狙っているそうです。
日によっては、反対側のゲンゴロウを狙っていることもあるんだとか。
更に、今回はなんと、博物館の裏側も見せていただけました!
水族展示を維持するしくみだけでなく...
こちらは収蔵庫です。
博物館の使命や、標本を収集することの重要性についてお話しいただきました。
博物館は、単に見て楽しむものという以上に、地域の研究、教育、そして記録の拠点として大切な施設です。
皆さんの中にも、将来博物館ではたらく人がいるかもしれませんね。
平嶋先生、ありがとうございました!