生物科の南川です。
7月13日(土)は、今年度のSSS最終回でした。
講師はなんと、卒業生の皆さんです!
実習は、題して『明後日にかける橋』。サイモン&ガーファンクル...では、もちろん、ありません。
数年前に実施した「橋を制作しよう」という卒業生実習『明日にかける橋』を進化させて、高校1・2年生が競技形式で楽しめる企画にまとめたものです。
企画したのは、7年前(SSS発足直前)から4年前にかけてSSSを受講していた皆さん。
大学や大学院の合間を縫って、この日のために何度も豊中高校に足を運び、協議や準備を重ねてくれました。ありがとうございます!
いよいよ本番。皆さん、緊張しています(?)。
実習開始です。 よろしくお願いします!
実習内容は次のようなものです。
① グループに分かれて(5~6人)、制限時間内に2本の橋を作ってもらいます。
② 1本目の橋は長さ50cm。全グループに同じ材料が与えられます。
③ 2本目の橋は長さ210cm。グループごとに異なる材料が与えられます。
④ 2本目の橋の材料は、他グループと交渉して「物々交換」をしても構いません。
⑤ 評価ポイントは2つです。
● 制限時間内に完成させること
● 完成させた橋の上を、ラジコンカーが安全に渡れること
さあ、知恵と技術とチームワークを駆使して、競技開始です!
様々な材料をどのように組み合わせるか、個性が光ります。
組木のような設計。なかなかの強度のようです。
「かずら橋」型。 『恐怖の報酬』...?
廊下では決められた時間ごとに、5分間の交渉タイムが設けられます。
余った材料と足りない材料。利害の一致を求めて、交渉の場へ!
連立方程式!?
適切なレートを計算で示して説得していたそうです。
みんな本気です...
制限時間も近づき、制作も追い込みの時期。
かずら橋チームは床がつきました。
各グループ、着々と完成させていきます。
中にはこんなに立派な橋を作るグループも。
そして、競技時間終了です!
今回、残念ながら完成に至らなかったグループも出てしまいました。
本当なら最後まで完成させてあげたかったそうなのですが...
残念ながら、時間は待ってくれません。
それでは、いざ、通行チェックです!
各グループ代表のドライバーが、慎重に操縦します。
緊張の瞬間。 渡りきったグループには全員から拍手が送られました。
最後に卒業生の皆さんからメッセージがありました。
今回の実習では、材料から構造や強度を考える物理的な知識や、構造を実現する技術だけでなく、意見を交わし、まとめるコミュニケーション能力が求められています。
ですが、一直線に答えを目指すのではなく、仮説を試してはその問題を発見し、少しずつ全体を改善していくことが必要です。これこそまさに"Science"の方法なのです。
今回、実習を企画した卒業生の皆さんはTAROという卒業生団体を組織して「自分たちが今まで学んだこと豊高生に還元したい!」活動してくださっています。
司会を務めて下さったのは2年前に卒業した68期のお2人でした。
当日だけでも予定があいたので、と飛び入りで参加して下さった人もいます。
企画全体を一歩引いたところから見守って下さった人、物品や人の動きのフォローなどをして下さった人もいました。
本当にありがたいお話です。
卒業生の皆さんによる実習を以て、今年度のSSSはすべて終了となります。
受講生の皆さん、お疲れ様でした!
皆さんか学んだこと、これから学ぶことを、いつかまた必ず、何かの形で社会に還元して下さいね。
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近年、高等教育では、「科学を専門としない人に科学的な内容をわかりやすく説明する力」(=科学コミュニケーション能力)が重視されています。
一方で、学生が科学コミュニケーション能力を発揮できる場は、そう多くはありません。
高校生には、先生よりも身近な「先輩」に教わる機会として。
大学生には、自分の身につけた能力を実践し、さらに磨く場として。
豊中高校では、大学生の皆さんに「科学コミュニケーション能力」を実践で伸ばしてもらう事業を企画しています。
※ 卒業生連携企画にご興味をもっていただけた卒業生の方は、ぜひ豊中高校の担当者(今年度は生物科の南川です)までお電話ください。