夏期講習2日め、生徒たちは頑張っていることでしょう。夏休み中は教職員対象のさまざまな研修が催され、私たち教職員も学ぶ機会が多くあります。
昨日、午後から日本教育会大阪支部主催の「第73回講演会」に参加してきました。講師は教育研究家の妹尾昌俊さん、表題は「教育人気を高めるには? 働きがいがあり、かつ、働きやすい学校づくりに向けて校園長ができること」です。幼稚園、小学校、中学校、高校、支援学校の校園長ら約200名で会場は満席になりました。近年、教員採用試験を受験する人が顕著に減っていることや、日常のさまざまな業務に追われて疲弊する教員が増えていることなど、校園長にとって深刻な問題になっている学校や園も少なからずあると思います。
残念ながら、朝からニュースになっていた東海道新幹線の不通により、講師の妹尾さんは大阪に来ることができず、東京からオンラインでのご講演になりましたが、根拠となる資料に沿って語られた言葉の数々は、ズバリと核心を貫くものが多く、改めて自分の職場を客観的に見直す責務を強く感じました。
「6」「8」「41%(公立小学校)」
「これら3つの数字は何を表しているか分かりますか」と妹尾さんが訊かれました。
「6」と「8」は、公立の小学校と中学校の先生の学校での休憩時間で、1日あたり「6分」と「8分」、「41%」は深刻な睡眠不足に陥っている先生の割合だそうです。
確かにそのとおりだなぁと思いました。教員も昼休みは毎日45分あるはずなのに、私自身も大阪府立高等学校の教員として採用されてから45分休んだことはほとんどないように思います。昼食を10分以内で済ませて、生徒の相手をしたり、次の授業の準備をしたり、周りの先生方もそうでしたし、若い時はそれが当たり前だと思っていたと振り返ります。決していやいや仕事をしていたわけではなく、むしろ楽しんでいたとも思いますが、帰りは連日深夜になり、帰宅してからも夜中過ぎまで、プリントを作ったり、授業の準備をしたり、何らかの仕事をしていました。そして、休日は部活動や進学講習、今宮高校では、長い間放置されていた部屋を片付けたり、中庭に花を植えたりもしました(楽しんで)。愚かなことに、それが自分なりの「全体の奉仕者」としての仕事の向きあい方だと思っていたようです。
それにしても、小、中学校の先生方の休憩時間が6分、8分とは驚きの数字です。これは多くの先生方への調査の結果、すなわち平均値ですから、ほんの数分の休憩、深呼吸や伸びさえできていない方も多くいることを示唆していると理解すると、とんでもない実態が浮き彫りになっていると言えます。
管理職になって強く思うのは、私自身のこれまでの働き方を深く反省し、上記のような休憩も取れないほどの仕事の仕方は決してしてはいけない、させてはいけない、ことです。もちろん、思うだけではダメで、今後も教職員の数が増えることがないのであれば、もっと根本的に見直して、働きやすい職場環境を作ることが私に課せられた重大な責務です。
今回の講演会での妹尾さんのアドバイスのように、いろいろな人の意見やアイデアを聞き、生徒一人ひとりが満足し、私達教職員一人ひとりも満足できる、そんな学校づくりを諦めずに進めて行こうと思います。
新幹線が不通になっても、なんとか大阪まで来ようとされていたと聞きました。妹尾さん、本当に有難うございました。