50 謹賀新年 ~年初にあたって~

新年、明けましておめでとうございます。旧年中は皆様にいろいろとお世話になり、ありがとうございました。本年もよろしくお願い申し上げます。

本日が御用(仕事)始めになります。年末年始、気温は低めに推移したものの、大阪地域は天候的には比較的好天に恵まれたように思います。皆様はどのような、年末年始を過ごされたでしょうか。我々は日々、反省と予想を繰り返していますが、年末から年始にかけては、振り返りと新たな決意を同時にしっかりと行う時です。

昨年は本当に様々なことがありました。災害の怖さを痛感する年になりました。昨日も熊本で大きな地震がありました。被害に遭われた方々にお見舞い申し上げます。大阪には九州には縁のある方が多いのでご心配のことと思います。年表を見ればわかるように日本の歴史は災害を乗り越えてきた歴史です。経験に基づいた先人の叡智に学びつつ、新しい社会において、それにふさわしい防災のあり方を真剣に我々も考えていくことが喫緊の課題です。

国際社会の不安定な情勢や、それを反映した経済の先行きの不透明感も印象的でした。情報化がいよいよめまぐるしく進歩をするなかで、それにまつわる多くの問題もクローズアップされました。通信機能はますます便利になりますが、それをコントロールしきれない状況に振り回されかねません。たとえれば、解き方を知らずに魔法のかけ方を知り、色々とかけているようなものです。進歩した情報化がかえって「こんな結果になるとは思わなかった」という事態をたくさん起こしていることについて、責任ある世代がしっかりと考える必要があります。新しいテレビ等の解像度も肉眼をはるかに超えてきています。これまで隠す必要がなかった部分までくっきりと映るわけですから、これからはいかに隠すかの工夫が要求されるでしょう。撮影した場所から相当離れている人の顔までクローズアップすればはっきりと見えるわけですから、プライベートや個人情報に関わる課題が増えるはずです。このようなことはすべて、教育現場にも反映してきますので、学校関係者も対策をしていくことが大切になります。

今年、公私ともに我々に、生徒に良いことがきっとたくさんあるはずです。歴史の節目として、元号が改まります。精神を豊かにする歴史感覚を養う機会になるでしょう。それに伴って5月には10連休があります。6月にはこの大阪でサミットが行われます。あわせて、観光地としての評価も一層高まっているようですから、海外からより多くの人が大阪の地を訪れるでしょう。自己を肯定する気持ちを持ちつつも、多様性を認め合うことのできる、正しい国際感覚を身につけた人間になること、そういう人間を育てることが個人の生活を充実させ、これからの大阪の発展にも結びつくはずです。今年、皆様とともにそういう教育を行なっていければと望むしだいです。