18 2学期始業式

本日、8月26日(月)に体育館で令和元年度2学期の始業式を行いました。校歌斉唱の後、まず私のほうから校長講和をしました。3年生に対しては本格化する進路実現への取り組みを激励し、1、2年生に対しては学校の生活のさらなる充実を図るように言葉をかけました。自他の人権を大切にすること、台風シーズンになるので災害時の対処について今一度確認しておくことなどを伝えました。

付け加えて、良い「物語」と出会っていってほしい、というメッセージを伝えました。ふだんは見られないNHK朝の連ドラを盆休みでしたか、たまたま見たときに、私が小学校の時に観た「太陽の王子ホルスの大冒険」というアニメ映画をモデルにしたものを製作する場面だったので、そのことにふれながら話をしました。この映画は夏休みには繰り返しテレビでも放映していた記憶もあります。幼い私は大変感動しました。昭和40年台初めごろの作品ですが、すでに若き日の宮崎駿と高畑勲がスタッフとして参加しています。太陽の剣を持つ主人公ホルスの勇気と行動力、悪魔の妹であるヒロインのヒルダのもの哀しくて美しい歌、北欧の巨人を思わせる岩男と悪魔があやつる氷のマンモスのバトルシーンなど、ご存じの方は少ないかもしれませんが、我が国のアニメ映画史上に残る傑作です。(ちなみに声優としても、ヒルダを市原悦子、悪魔を平幹二郎が務めています。)技術面では現代のアニメに及ばないでしょうが、幻想性をたたえた展開内容は「もののけ姫」などのジブリの代表作に匹敵していると思います。(ただし、連ドラでも言っていましたが、製作当初は子どもには難しすぎるということで、興業的に不成功に終わったようです。レベルが高くて、時代的に早すぎたようです。昭和の40年台初めころに日本のアニメがこれほどの高みに達していたということに感動するのですが。)

良い物語は心の栄養になります。薬のように、即効性はないので、直面する悩みを解決したりはしてくれませんが、確実に人生の支えになってくれます。世の中の流れは、そういう物語的なものにはプライベートで親しまなければならないという感じになっています。私自身は内外の数多くの文学作品によって、心を養ってもらっていますので、生徒たちにも小説をたくさん読んでほしいと考えています。しかし、現代の若者を取り巻く状況でそういう考え方にこだわると、良質の物語にふれる機会が少なくなってしまうので、漫画・アニメ・ドラマ・映画などを通して良い物語に親しんでほしいというメッセージを伝えました。時間があれば、教科書に載ったことのある良い短編小説を詳しく紹介するつもりだったのですが、今回は伝達表彰がたくさんあったので、それはまた機会があるときにしようと思います。

始業式後にソフトテニス部、陸上部、華道部、美術部、ダンス部に対して、伝達表彰を行いました。この夏期間も部活動(堺上校杯も含めて)で多くの生徒が活躍していたと感じています。ダンス部については、近畿・中国ブロックで入賞したことの表彰後に、全国大会でも51校中21位になったという快挙を伝えました。今回のダンス部の成績は、自分たちが努力すれば成果に結びついてくるのだという思いを本校の他の生徒にも抱かせてくれるものです。この2学期も心身に気をつけながら、多方面で生徒たちが活躍してくれることを願っています。