8月9日(金) 「キャリア教育」って何?

 私が教育分野で第2の人生を歩もうと決意したのは、「10代の若者たちの夢を具体的な目標に変え、その目標を実現できるようサポートしたい」と思ったからです。これって、今から思えば「キャリア教育」の視点ですね。

 今年、私自身が自らに課した課題は「キャリア教育」です。昨年は、大阪府の特徴でもある「人権教育」を積極的に学びました。今年は、直感的に「キャリア教育」について、自分の腹に落としておかないと大変だという「危機感」を感じました。

 これまで「キャリア教育」というと、狭い意味で「職業教育」に直結する体験学習やインターンシップというイメージを持つ向きがありましたが、広義でとらえると、「職業選択を含め、人生をいかに生きるか、そのための教育」ということになると思います。文部科学省は、「キャリア教育」を「一人一人の社会的・職業的自立に向け、必要な基礎となる能力や態度を育てることを通して、キャリア発達を促す教育」と定めています。

 8月5日(月)から5日間、キャリア教育指導者養成研修(西部ブロック・経営コース)を本校首席とともに受講(首席は推進コース)しました。西日本各自治体の教育委員会所属の担当者、小・中・高校等教諭(管理職を含む)約150名が一堂に会し、5日間、グループに分かれ頭を突き合わせて、課題協議・演習等を行い、多くの成果物を作りました。事例発表をされる先生方、先輩方には、とても熱いものを感じました。おかげさまで、各地に多くの仲間ができました。

 普通科進学校のキャリア教育は、最も難しいといわれていますが、現在、本校で「志学」として行っている様々な活動を核として、教科との結びつきをつぶさに見ながら再編成し、足りないところを足していくという作業に取り掛かろうと思います。大切なのは、教育する側の意識だと思います。

 本校では、縦の連携である保・幼・小・中学校、大学校との連携をさまざまなプログラムで行っています。乳児・妊婦さんとの交流まであります。一方、横の連携である大阪狭山市という地域との連携においては、4月末に2日間行われる「狭山池まつり」に約300名の生徒を動員して、様々な役割を担っています。また、国際交流を通じて、異文化との衝撃的な出会いを経験しています。先輩やすごいことをした人を講師に迎えています。企業とのつながりこそ少ないですが、これまでの多くの資産をもとに、できるところから着手したいと思います。

 研修に先駆け、大阪狭山市の取り組みを紹介され、講話、実践発表等を聞かせていただきました。同じ地域で取り組まれている学校を始めとする組織・団体とタグを組んで、将来に希望を持って生きることのできる子供たちを育てたいと思います。生徒たちが、「自分はすごいんだ」と思うことができれば、将来の生き方を積極的に考えられるようになると思います。