読書のすすめー「学問のすすめ」②

6月16日に続き福沢諭吉著、齋藤隆訳「学問のすすめ」についてです。 

福沢諭吉はEmpathy(共感)について述べているところがあります。「ここで言っておこう。次代の若者たちよ、他人の仕事を見て物足りないなあ、と思えば、自分でその仕事を引き受けて、試しにやってみるがよい。(中略)非常に大きなことからとても細かいことまで、他人の働きに口を出そうとするならば、試しに自分をその働きの立場において、そこで反省してみなければいけない。あるいは、職業が全く違ってその立場になれない、と言うのであれば、その働きの難しさと重要さを考えればよい。」(2008年「現代語訳 学問のすすめ」福沢諭吉著、齊藤孝訳 p.215 筑摩書房)

他人の立場になって考えてみる知的作業の「共感」については、以前紹介した本「僕はイエローでホワイトで、ちょっぴりブルー」で紹介しました。『学問のすすめ』を読んでいて、この考えに再会しました。ようやく日常の活動が戻りつつありますが、自分の周りの人のことも考える、そんな気持ちを大切にしてほしいと思います。『学問のすすめ』は明治初期に書かれたこの本ですが、全17編通して、100年以上前に書かれたものとは思えない内容です。