今年も、12月26・27日の日程で生物研修旅行が実施されました。
行き先はいつもお世話になっている、白浜の京都大学瀬戸臨海実験所です。
よろしくお願いします!
到着して早速、実験所北側の磯で生物観察を行いました。
続けて、中野真里先生のご案内で、実験所の西側にある番所山で植生観察会を行いました。
いよいよメインイベントの、ウニの発生観察です。
中野智之先生とTAの杉山さんにご指導いただきます。
今年は白浜周辺でウニが捕れなかったため、東北大学 浅虫臨海実験所のご協力によって、
青森県からやってきたウニを使わせていただきました。
まずは、塩化アセチルコリンを注射して、放精・放卵を引き起こします。
メスならこのように小さな粒(卵)を放出します。
雄なら白いもやのような精子を放出します。
卵と精子が採取できたら、これらを混ぜて時間計測をスタートします。
このあとは、各実習の合間を縫って定期的に顕微鏡で観察していきます。
ウニの受精卵の観察が一段落したら、次は水族館見学です。
京都大学付属白浜水族館の生体展示は、展示生物を門ごとに分けて、系統分類がわかりやすい展示となっています。
ウニの実習に引き続き、中野智之先生とTAの杉山さんが、それぞれの動物の門について、その特徴を講義してくださいました。
水族館のバックヤードも見学させていただきました。
展示だけでなく、研究機関としての側面も、水族館が社会で果たす重要な役割です。
再びウニを観察したあと(8細胞期まで進行していました)、杉山さんによる生物学の講義が始まります。
最前線の研究者であると同時に、学生としての側面も併せ持つ大学院生のTAさんによる講義は、毎年生徒たちに好評です。
夕食後は、夜の水族館見学の時間です。
展示された生物には昼行性のものと夜行性のものがいるため、昼と夜では活動に差があります。
午後の見学のときと比較しながら、様々な生物の生態について解説していただきました。
一夜明けた2日目、まずはウニの発生観察の続きです。
原腸胚まで進行していました。
2日目最初の実習は、1日目に北浜で採集した生物の同定実習です。
寒い冬に、短い時間だけの最終でしたが、貝類を中心にたくさんの生物が見つかりました。
中でも次の実習の主役となるのが、カサガイ類(マツバガイ)です。
昼食を挟んで午後は、解剖実習が中心となります。
まずは節足動物であるフナムシの解剖。講師は下村先生です。
アルコール標本として保存されていたものを解剖しました。
体節がはっきりしている節足動物の解剖を通して、体制(ボディプラン)について学びました。
つぎはウニの解剖です。
賛否両論ある生体解剖ですが、生物の体の構造や機能を学ぶ貴重な機会です。
しっかり観察して、学び取ってください。
最後にもう一度、ウニの発生を観察したところ、プリズム幼生まで進行していました。
(すみません、写真を撮れませんでした)
1泊2日の研修旅行、学校ではできない「本物」の実習が盛りだくさんでした。
決して「いい経験だった」で終わらず、授業で学ぶ内容と結びつけてくださいね。
ご指導いただいた京都大学の先生方、TAさん、中野真里先生、
ご協力いただいた浅虫臨海実験所の皆様、ありがとうございました!