生物研修旅行 1日目

今年も、12月26・27日の日程で生物研修旅行が実施されました。

 

行き先はいつもお世話になっている、白浜の京都大学瀬戸臨海実験所です。

よろしくお願いします!

 

到着して早速、実験所北側の磯で生物観察を行いました。

 

続けて、中野真里先生のご案内で、実験所の西側にある番所山で植生観察会を行いました。

191226 植生観察中.JPG

 

いよいよメインイベントの、ウニの発生観察です。

中野智之先生とTAの杉山さんにご指導いただきます。

191226 ウニの発生開始.JPG

 

今年は白浜周辺でウニが捕れなかったため、東北大学 浅虫臨海実験所のご協力によって、

青森県からやってきたウニを使わせていただきました。

 

まずは、塩化アセチルコリンを注射して、放精・放卵を引き起こします。

191226 アセチルコリン注射.JPG

 

メスならこのように小さな粒(卵)を放出します。

雄なら白いもやのような精子を放出します。

191226 採卵.JPG

 

卵と精子が採取できたら、これらを混ぜて時間計測をスタートします。

191226 受精卵.JPG

 

このあとは、各実習の合間を縫って定期的に顕微鏡で観察していきます。

191226 受精卵の観察.JPG

 

ウニの受精卵の観察が一段落したら、次は水族館見学です。

191226 白浜水族館入り口.JPG

 

京都大学付属白浜水族館の生体展示は、展示生物を門ごとに分けて、系統分類がわかりやすい展示となっています。

ウニの実習に引き続き、中野智之先生とTAの杉山さんが、それぞれの動物の門について、その特徴を講義してくださいました。

191226 水族館見学.JPG

 

水族館のバックヤードも見学させていただきました。

展示だけでなく、研究機関としての側面も、水族館が社会で果たす重要な役割です。

191226 バックヤード見学.JPG

 

再びウニを観察したあと(8細胞期まで進行していました)、杉山さんによる生物学の講義が始まります。

最前線の研究者であると同時に、学生としての側面も併せ持つ大学院生のTAさんによる講義は、毎年生徒たちに好評です。

夕食後は、夜の水族館見学の時間です。 

191226 ナイトアクアリウム.JPG

展示された生物には昼行性のものと夜行性のものがいるため、昼と夜では活動に差があります。

午後の見学のときと比較しながら、様々な生物の生態について解説していただきました。

 

一夜明けた2日目、まずはウニの発生観察の続きです。

原腸胚まで進行していました。

 

2日目最初の実習は、1日目に北浜で採集した生物の同定実習です。

191227 生物同定実習.JPG

寒い冬に、短い時間だけの最終でしたが、貝類を中心にたくさんの生物が見つかりました。

 

中でも次の実習の主役となるのが、カサガイ類(マツバガイ)です。

191227 カサガイの行動.JPG

 

昼食を挟んで午後は、解剖実習が中心となります。

まずは節足動物であるフナムシの解剖。講師は下村先生です。

191227 フナムシの解剖実習.JPG

アルコール標本として保存されていたものを解剖しました。

体節がはっきりしている節足動物の解剖を通して、体制(ボディプラン)について学びました。

 

つぎはウニの解剖です。

191227 ウニの解剖実習.JPG

賛否両論ある生体解剖ですが、生物の体の構造や機能を学ぶ貴重な機会です。

しっかり観察して、学び取ってください。

 

最後にもう一度、ウニの発生を観察したところ、プリズム幼生まで進行していました。

(すみません、写真を撮れませんでした)

 

1泊2日の研修旅行、学校ではできない「本物」の実習が盛りだくさんでした。

決して「いい経験だった」で終わらず、授業で学ぶ内容と結びつけてくださいね。

 

ご指導いただいた京都大学の先生方、TAさん、中野真里先生、

ご協力いただいた浅虫臨海実験所の皆様、ありがとうございました!