169.もう少しあと少し

中庭の1本道を歩かせてやりたかったなあという思いがあります。中間テストが終わった頃でしょうか、3年生のある生徒さんが、「ハロウィンで仮装して授業を受けてみたいんですけど」とある先生に相談をしたそうです。その話を聞かれた先生は私のところに相談しに来られました。「その生徒さんと話をしたいので会わせてください」とお願いしそんな場を作ってもらいました。真面目に、しっかりと考えをもっていることがよくわかり、先生方に検討をお願いしましたが、さすがに授業は大切にしようということになり、仮装して授業はなくなりました。でも何とか違った形での楽しみ方はないかとその後もいろいろ考えてくださり、放課後に仮装してパレードしてそのあとに写真を撮れるようにするのはどうかというところで落ち着きました。学校行事ではなく、生徒の皆さんの自発的な放課後活動を先生方も一緒に考えましょうという話です。11月2日(土)の4限授業が終わった後で予定して参加人数もまあまあ集まりそうだったそうですが、あいにくの大雨で中止となり、翌9日(土)に再チャレンジと考えましたが、もう受験が始まっていて立ち消えになってしまいました。結局何も起きなかったし、生徒の皆さんの声を現実に変えていくということにはつながらなかったのですが、この3年生の生徒さんたちの動きは、私は大きかったと思っています。「どうせ無理やろ」ではなく「こんなことしてみたい」を「先生に言ってみよう」にしたこと、それに先生も応えて形になる寸前まで来た事、そこに大きな意味があると思います。もう少しあと少し。あの道を歩かせてやりたかったなあと思います。