教師は毎日がライブ

 教師になって5年目のこと。久しぶりに、大学時代の友人と会う機会があった。彼は、大学を卒業した後、大手調味料メーカーで営業の仕事に就いていた。高校時代からの友人でもあり、その頃から場をつくりあげるのに長けた存在であった。いつしか、なんとなく仕事の話になり、彼は現在自社で開発している商品について熱く語り始めた。(自分が心から納得して良いと思う商品をお客様に届けたい)という彼の想いがこちらに伝わってきた。それから、だよと念をおされながら、実は5年後に向けた新商品の開発がスタートしていることを話してくれた。そこまで一気に話した後、彼は私を見ながら(学校の先生っていいよな)と言った。(どうして?)と聞いてみると、(季節・学年毎の行事とか休みとかメリハリあるし、なにより授業はライブみたいなものだから、相手の反応がすぐわかるから。)なるほどと思った。

彼と話をするまで、時として、どう生徒と接して良いか分からなくなったり、思っていた反応が得られず、悶々としていた。そうか、実は目の前に答えはあったのだ。

素直に(ありがとう)が言えた、そんな時間であった。友達は私から突然発せられた言葉に驚いていたようだが、すぐさまこう言った。(お前、変わらんな)

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